【ES07】『志望動機』の目的を理解し、事前準備を行おう!

前々回前回は、エントリーシートの『自己PRに関する設問』(長所、強み/ガクチカ/成長できたこと)の作成法をお話しさせて頂きました。
記事を手がかりに、「下書き」「推敲」を重ねれば、必ず満足のいく文章が完成するはずです!
焦らず、じっくり取り組んで頂きたいと思います!!

以降の記事では、エントリーシートのもう一つの大問である『志望動機に関する設問』の作成法を解説していきます。
まず今回は、『志望動機』作成前に知っておいて頂きたい基礎知識や作成の事前準備の方法を、できるだけ丁寧にお話しさせて頂きます!

恋の三段論法💛

学生さん
先生、こんにちは~!
minamin
あら、いらっしゃい!
お元気そうで何よりだわ!!
学生さん
ありがと~ございます!!
minamin
例の気になる男子さんとは、上手くやってるのかしら?
学生さん
バッチリです!
あれから毎日、あひゞき(逢引き)して、一緒にエントリーシートを作成してますから💛💛
minamin
よかったじゃ~ん!
今は、友達以上、恋人未満って感じかしら!!
学生さん
まぁ~、そんなとこかもしれません💛💛💛
minamin
じゃあ、あとは機を狙って、恋文を渡せば、作戦完了ね!!!
学生さん
はぁ~、恋文かぁ・・・(タメ息)、
私にとっては、まさにミッション・インポッシブルですね・・・
minamin
えっ、そうなの?
どのあたりが、ミッション・インポッシブルなのかしら??
学生さん
色々勉強し過ぎて、恋文の書き方が、逆に分からなくなってきたんです・・・、
頑張って【下書き】と【推敲】を繰り返してるんですけど、いい文章が全く書けないんですよね・・・
minamin
そっか、そうだったんだ・・・、
けれども大丈夫よ!
上手くいかない時にやるべきことは、たった「一つ」しかないんだから♪
学生さん
やるべきことは、たった「一つ」
minamin
そうなの!
今やるべきことは、「基本」に立ち返ることよ!
煮詰まった時やスランプの時は、「基本」ができていないことが多いのよ!!
だから、一回リセットして「基本」をおさえ直せば、きっといい恋文が書けると思うわ!!!
学生さん
そうだったんですね!!
先生、恋文の書き方の「基本」、早速伝授して下さい!!!

エントリーシートの『志望動機』の基本を解説するという当記事の趣旨からどんどん離れていっているような気がしますが、まずは恋文の話にお付き合い頂けると幸いです。

minamin
実はね、恋文を書くときにおさえてほしい「基本」って、2つしかないの!
学生さん
えっ、たった2つですか?
minamin
そうなの!!
以下のAとBが、おさえるべき「基本」ね!!
 
学生さん
AとB恋文の「本質」ってことですか?
minamin
その通り!
恋文では、自分と相手がマッチしてる(かみ合ってる)ってことを、最低限伝えられれば、それでOKなのよ!!
学生さん
う~ん・・・、
おっしゃりたいことは何となく分かるんですけど・・・、
ちょっとイメージしづらいかもです・・・
minamin
確かにそうよね!
じゃあ、以下の例文を見てみて!!

A.自分が求めるものを『相手』が持っていることを伝える
(1)私は、「こういう男子」と付き合いたいと思っている!
(2)あなたは、「こういう特徴」を持っている!!
(3)だから、私は「あなた」と付き合いたいんです!!!

B.相手が求めるものを『自分』が持っていることを伝える

(1)あなたは、「こういう女性」を求めている!
(2)私には、「こういう特徴」がある!!
(3)だから、私は「あなたの求める女性」とピッタリんです!!!
 
学生さん
ようやく分かりました!
「自分の求めるものと相手が一致してること」「相手の求めるものと自分が一致してること」を文章で伝えるって、こ~いうことだったんですね!!
minamin
そう、これが『恋文の文章の基本』よ!
よ~く、覚えておいてね!!
ところで、AとBの文章で、何か気づいたことはあるかしら?
学生さん
えっとぉ、AもBも、(1)→(2)→(3)の形式で書かれていますよね?
minamin
そうなのよ~!、
私はこれを、『恋の三段論法』って呼んでいるの!!
学生さん
こ、恋の三段論法??
minamin
これは恋文を書く時の「文法」なんだけど、この基本構成を守れば、相手に『想い』がバッチリ届くと思うんだ!!
学生さん
なるほど~
これ早速、メモらせて頂きますっ!!!

エントリーシートとは企業への『恋文』である!

恋文でおさえて頂きたい基本ポイントは、

A.自分が求めるものを『相手』が持っていることを伝える
B.相手が求めるものを『自分』が持っていることを伝える

ということでしたが、これは、エントリーシートの『志望動機に関する設問』にもピタリと当てはまります。
先ほどのAとBの例文ですが、文中の言葉を

「相手・男子・あなた」⇒「志望企業・志望職種」
「女性」⇒「人材」
「付き合いたい」⇒「就職したい・働きたい」

という形に置き換えて、文章を作り直してみたいと思います。

C.自分が求めるものを『志望企業や志望職種』が持っていることを伝える

(1)私は、「○○な企業」「○○という仕事」をしたいと思っている!
(2)志望企業や志望職種には、「○○という特徴」がある!!
(3) だから、志望企業や志望職種は、「私の求めるもの」とピッタリなんです!!!

D.志望企業や志望職種が求めるものを『自分』が持っていることを伝える

(1)志望企業は、「○○という企業理念」に共感できる、「○○という特性」を持った人材を求めている。
(2)私は、企業理念と同じ「○○という価値観」と、職種で求められる「○○という特性」を持っている。
(3)だから、私は「志望企業/志望職種の求める人材」とピッタリなんです!!!

実は、上記C・Dが「志望動機の基本の文章」になります!
「恋文の基本の文章」「志望動機の基本の文章」ピッタリ対応していることを、お分かり頂けたかと思います!!

学生さん
分かりますっ!
ホントにピッタリ対応してますね!!
minamin
要は、恋文で伝えるべき内容と、志望動機で伝えるべき内容って、「全く同一」なのよね!
だから、ピッタリ対応しているの!!
学生さん
内容だけじゃなく、文章の形式も同じですよね?
minamin
とてもいいところに気がついたわね!!
恋文もエントリーシートの志望動機も、「三段論法」の形式で書けば、しっくりハマるってことなの!!!
学生さん
マジですか~??

マジでございます!
例えば、エントリーシートでよく出題される「企業への志望動機」「職種への志望動機」ですが、恋の三段論法を踏まえ、下記の形式で書いて頂ければ、ドンピシャでハマる文章を作成することが可能です!!

<企業への志望動機>

三段論法の内容ESの実際の文章
【C.自分が求めるものを「志望企業」が持っていることを伝える】
・私は、「○○な企業」に就職したいと思っている!
・志望企業には、私が求める「○○という特徴」がある!!
①志望理由
私は、○○という働き方がしたいと考え、就職活動を行っています。
貴社を志望する理由は、○○です。
貴社の○○に魅力を感じています。
【D.志望企業が求めるものを「自分」が持っていることを伝える】
・志望企業は、「○○という企業理念」に共感できる人材を求めている!
・私は、志望企業の企業理念と同じ「○○という価値観」を持っている!!
②求める人材像との一致
私は○○という価値観を持っており、貴社の企業理念に共感できたことも志望理由の一つです。
【結論】
・私が求めるものが志望企業にはあり、志望企業が求めるものが私にはある(つまり相性ピッタリである)!!!
③決意表明・今後の抱負
だから私は、貴社に入社したいんです。
だから私は、貴社で活躍できる(頑張れる)と思います。

<職種への志望動機>

三段論法の内容ESの実際の文章
【C.自分が求めるものを「志望職種」が持っていることを伝える】
・私は、「○○という仕事」をしたいと思っている!
・志望職種には、私が求める「○○という特徴」がある!!
①志望理由
私の志望職種は、○○です。
職種を志望する理由は、○○です。
志望職種の○○に魅力を感じています。
【D.志望職種が求めるものを自分が持っていることを伝える】
・志望職種では、「○○という特性」が求められる!
・私は、志望職種で求められる「○○という特性」を持っている!!
②求める人材像との一致
私の強みは、○○であり、この強みを活かせる仕事であることも大きな理由です。
【結論】
・私が求める特徴を志望職種は持っていると同時に、志望職種が求める特性を私は持っている(つまり相性ピッタリである)!!!
③決意表明・今後の抱負
だから私は、この職種をやりたいんです。
だから私は、この職種で貴社に貢献できる(頑張れる)と思う。
学生さん
ふ、腑に落ちました!
「志望動機」も、「恋文」同様、三段論法(①②③)で書けばいいんですね!!
minamin
そうなの!
私が「恋文」=「エントリーシート」って言ってた意味、理解できたかしら?
学生さん
よ~く理解できました!!
ってことは、これを踏まえれば、「恋文」もエントリーシートの「志望動機」も攻略できるってことですよね??
minamin
そ~いうことね!!!

恋文も、志望動機も、同じ事がらを同じ文章構成で伝えれば、上手くいく!

ここまでご理解頂けましたでしょうか?

『志望動機』のポイントを押さえよう!

では、ここからは、『志望動機』を作成する上で必須の基礎知識を解説させて頂きます。

志望動機の重要性

エントリーシート 第3回でも解説した通り、『自己PR』『志望動機』は、エントリーシートの両輪を成しています(↓)。

A『自己PR』・・・自分の長所・強み、ガクチカ、成長できたこと
B『志望動機』・・・企業への志望動機、職種への志望動機、将来ビジョン・キャリアデザイン

『自己PR』と『志望動機』、どちらの方が大切ですか?

学生さんからよく質問を受けます。

『自己PR』『志望動機』の両方とも大切としか、答えようがありません。

ただし、ウェイト(重み)が異なっています。
書類選考では、『自己PR』よりも、『志望動機』に重きを置いて、評価がおこなわれます。
具体的には、

自己PR4:志望動機6

ぐらいの割合で、志望動機の方がウェイトが高くなっているのです。

それゆえ、せっかくいい『自己PR』が完成しても、『志望動機』がしっかり書けていなければ、書類選考を突破することはできません
逆に言うと、『自己PR』が若干力不足であったとしても、『志望動機』がしっかり書けていれば、書類選考を突破することが可能なのです

では、なぜ企業は、『自己PR』よりも『志望動機』を重視する傾向にあるのでしょうか?

当然のことながら、企業は、採用活動を通じて、「自社の利益」に貢献できる人材を確保したいと思っています。
しかし、新卒採用が「ポテンシャル」採用と呼ばれていることから分かるように、企業は、新卒生が現時点で貢献できる能力ではなく、「将来的に貢献できるであろう能力」に期待して、学生を採用するのです。

学生の段階で、社会人として必要な能力やスキルを既に持っている人は、「ほとんどいない」といってよいでしょう。
それゆえ、就職活動では、現在の能力やスキルをアピールすることよりも、能力の土台となる「考え方」や「姿勢」、「熱意」をアピールすることが有効となってきます
そして、その「考え方」や「姿勢」、「熱意」をアピールする手段『志望動機』となってくるのです

『志望動機』の持つ重要性やウェイトの高さ、ご理解頂けたのではないでしょうか?

ポテンシャル採用では、熱意が重視されます!
学生さん
そっか、ちょっと小難しい話もあったけど、『自己PR』よりも『志望動機』の方がウェイトが高いってことでよかったですよね!
minamin
そういうことね!
おそらく、企業側は、「熱意が高い就活生は、入社後、企業に貢献し、活躍してくれる」っていう裏付けのようなものを持っているワケよね!!
だから、「熱意」を表す『志望動機』を重視するってことじゃないかなぁ・・・
学生さん
納得です・・・、
『志望動機』の重要性、よ~く理解できました!!

実は「差」がつく『志望動機』

『志望動機』のウェイトの高さに加えて、もう一点、お伝えしたいことがあります。
それは、『志望動機』の出来栄えは、就活生により、「大きな差」がつきやすいということです。

「よく知っている自分」の特徴を分析して、それを文章化する『自己PR』に比べ、「未知の存在」である企業への思いや熱意を綴らなければならない『志望動機』は、非常に高度で難しい設問と言えます。

さらに、『志望動機』作成には、自己分析に加え、業界・業種研究、職種研究、企業研究が必須となってきます(下図参照)。

志望動機作成には、
自己分析・業界研究の両方が必要!

これらの作業に多くの時間を要することは、当ブログの「業界研究」の記事でも紹介した通りです。

結果として、業界研究をしっかり行った学生とそうでない学生で、『志望動機』の内容に顕著な違いが生じ、それが書類選考の「合否」を左右する大きな要因となっているのです。

学生さん
『自己PR』よりも『志望動機』作成の方が難しいから、そこで「差」がついちゃうんですね・・・
何だか、作成するのがオックウになってきました・・・
minamin
そんな、身構える必要はないわよ!
このブログの「業界研究」をしっかり読んで、課題のワークシートを行えば、自信をもって『志望動機』が作成できるわよ!!
学生さん
ちゃっかり「宣伝」してるし・・・(苦笑)
けど、私も、記事を読んで、勉強し直します!
今からでも、間に合いますよね?
minamin
当然よ~!!!
学生さん
ですよね!!
よしっ、私、頑張るんで、『志望動機』についてもっと教えて下さい!!!

志望動機の出題内容

『志望動機』の2大設問は、「❶企業への志望動機」、「❷職種への志望動機」になります。
またこれらに関連して、「❸将来ビジョンやキャリアデザイン」に関する出題も、近年頻出傾向にあります。
以下が『志望動機』に関する設問の典型例になります。

❶企業への志望動機

・なぜ当社を志望するのですか?
・当社を選ぶ理由は、何ですか?
・あなたが当社で取り組みたいことは、何ですか?

❷職種への志望動機

・あなたの希望職種は、何ですか?
・あなたの希望部署は、何ですか?
・○○職にかけるあなたの思い(意気込み)を教えて下さい。

❸将来ビジョンやキャリアデザイン

・あなたのキャリアビジョンを教えて下さい。
・仕事での5年後、10年後の目標は何ですか?
・あなたの夢は何ですか?
学生さん
シンプルな内容だけど、難しい質問ばかりですね・・・
minamin
確かに、これまで「縁もゆかりもない企業」への志望動機を書くって、大変なことよね・・・
学生さん
「職種」への志望動機もそうだと思います、
経験したことのない、未知の仕事に対する思いや考えを書くわけですもんね・・・
minamin
事前の準備がしっかりしていないと、曖昧で具体性に欠ける文章しか書けないわよね・・・
学生さん
ホント、そ~ですよね・・・
志望動機を作成する前に、ずおさえるべきポイントって、ど~いうことなんですか?

読者のみなさんにおかれましては、『志望動機』作成前に、下記の4点がクリアできているか、よ~くご確認頂ければと思います。

✅志望企業・職種への理解が深められている
✅自分がやりたいことと志望企業の業務内容が一致している
✅その仕事に対して、自分らしさ(人がら・人間性、能力、適性)が活かせそうである
✅他社以上に、その企業に魅力を感じている
学生さん
この4つを満たしていれば、とりあえずはOKってことですか?
minamin
そういうことね♪
学生さん
不十分なところは、「自己分析」や「業界研究」をやり直して補っていけばいいんですね!
minamin
その通り!
「自己分析」と「業界研究」が補強できれば、『志望動機』に書く内容(ネタ)もおのずと定まってくるわ!!
学生さん
なるほど~、
それが『志望動機』作成の事前準備作業なんですね!!
具体的な方法、早速、レクチャーして下さい!!!

『志望動機』の事前準備を行おう!

もう一度、こちらの図をご覧下さい。
『志望動機』を作成するためには、「自己理解」「相手理解(企業理解や職種理解)」が必要になります。

自己理解は、相手(志望企業や志望職種)が求めるものを「自分」が持っていることを伝える際、重要な役割を演じます。
一方、相手理解は、自分が求めるものを相手(志望企業や志望職種)が持っていることを確認する際、重要な役割を果たします。

以下、自己理解と相手理解の方法を解説させて頂きます。

自己理解をESにつなげよう!

エントリーシート 第4回でお話ししたやり方を用いれば、自己理解に関わるネタを収集し、整理することができます。
当該記事の内容を、ダイジェストで紹介させて頂きます。

性格特性について

自分の性格や人がらを知る方法として、 第4回では、

  • ビッグファイブプラス
  • 新たな肯定的特徴の発見
  • リフレーミング
  • リクナビグッドポイント診断

を紹介いたしました。
これらの自己分析を行い、自分の「長所、強み」を発見したら、それを裏付ける「エピソード」も必ず列挙するようにして下さい。
「エピソード」は、長所、強みを支える『根拠』の役割を果たしますので、あなたらしさをよりよく表す経験をチョイスされて下さい。

能力・適性について

ビジネスで必要とされる能力や適性を自分が持っているかを診断するツールとして、第4回では、

  • キミスカ適性
  • AnalyzeU+(アナライズユープラス)

を紹介しました。
『志望動機』を作成する上で特にオススメしたいのが、AnalyzeU+になります。
AnalyzeU+では、「社会人基礎力」「次世代リーダー力」といった、社会人として活躍していく上で必要となる能力やスキルを有しているかを判定することができます。

社会人基礎力の概念図
次世代リーダー力の概念図

これらの診断結果を上手く活用することで、志望企業が求めるものを「自分」が持っていることを、より効果的に伝えることができるのではないでしょうか

学生さん
自己理解に関しては、「長所、強み」で行った事前準備が、そのまま活用できるってことなんですね?
minamin
そうなのよ~!
学生さん
ここでのポイントは?
minamin
例えば、あなたって、マッチョ、好きかしら💛
学生さん
いきなり、何聞いてくるんですか~!、
私は、そ~いう趣味ないです!!
どっちかって言うと、シュッとした草食系が好きです💛
minamin
そうなんだ!
例えばさぁ、あなたに言い寄ってくる男子が「俺の筋肉自慢」してきたら、どうするかしら??
学生さん
こっ、困ります・・・、
だって、私、そ~いうの求めてないですもん!
minamin
つまりは、そういうことよ♪
学生さん
・・・、あっ、分かった!
企業が「求めていないもの」をアピールしてもダメだってことですね!!
minamin
その通り!
『志望動機』では、仕事に役立つもの、仕事につながるものをアピールしてね!!
学生さん
そっか、それを自己分析を通じて、自己発見することが、自己理解ってことなんですね!!
合点がいきました!!!

相手理解をESにつなげよう!

相手理解(企業理解、職種理解)のためには、業界研究が必要不可欠です。
まずは志望する業界・業種について理解を深め、それを企業研究や職種研究につなげていきましょう。

業界研究の基礎知識を復習しよう!

業界・業種・業態・職種

これらの用語の「意味」を正しく理解されていますか?

用語を正しく理解しないまま志望動機を作成すると、曖昧で見当はずれな内容になりかねません。
理解が不十分な方は、当ブログの業界研究 第2回をご一読されることをオススメいたします!

学生さん
この記事を読むだけで、業界研究の基礎知識がバッチリ学べるんですね!
minamin
そうなのよ~!
まずは業界・業種・業態・職種の意味をしっかり理解してほしいかな・・・
学生さん
用語を理解したら、次に何をおさえるべきですか?
minamin
そうねぇ、「主要8業種」「8業種ごとの業界分類」は最低限理解すべきだと思うわ!!
①~⑧が主要8業種です!

Table1 主要8業種に基づく業界分類表

主要8業種各業界
①メーカー食品・農林・水産
建設・住宅・インテリア
繊維・化学・薬品・化粧品
鉄鋼・金属・鉱業
機械・プラント
電子・電気機器
自動車・輸送用機器
精密・医療機器
印刷・事務機器関連
スポーツ・玩具
その他メーカー
②商 社総合商社
専門商社
③小 売百貨店・スーパー
コンビニ
専門店
④金 融銀行・証券
クレジット
信販・リース
その他金融
生保・損保
⑤サービス・インフラ不動産
鉄道・航空・運輸・物流
電力・ガス・エネルギー
フードサービス
ホテル・旅行
医療・福祉
アミューズメント・レジャー
その他サービス
コンサルティング・調査
人材サービス
教育
⑥ソフトウエアソフトウエア
インターネット
通信
⑦広告・出版・マスコミ放送
新聞
出版
広告
⑧官公庁・公社・団体公社・団体
官公庁
<参考文献>https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/knowhow/article/industry-list.html
学生さん
なるほど~、これを見ると、自分の志望企業がどの「業界」「業種」になるのか、たちどころに理解できるんですね!!
minamin
業界・業種・業態は大丈夫として、職種の意味は分かったかしら?
学生さん
えっとぉ、様々な職種は、「プロフィット部門」「バックエンド部門」に大別されるって理解でよかったですか?
minamin
その通り!
まずは、以下の表を見て、自分のやりたい仕事がどのように分類されているかを確認してね!!
学生さん
了解で~す!

Table2 プロフィット部門の業種一覧

業界業種内容
製造研究商品の機能や技術をよりよくするアイデアを生み出す
企画開発研究により生み出されたアイデアを形にする
生産調達原材料を仕入れ、製品を作る
営業販促商品をお客に売る
流通店舗企画お店を立ち上げる
仕入れ物流仕入れ先とそのルートを確保する
販売販促お店での販売を行う
営業法人向けの営業を担当する
サービスインフラ技術サービス提供のための基盤や技術を開発する
サービス企画 提供するサービスを考える
サービス提供現場でサービスを提供、運用する
営業販促サービスをお客に売り込む

Table3 バックエンド部門の業種一覧

職種内容
経理出入金管理と資金計画立案に携わる業務を行う
総務各事業部の業務遂行に必要となる支援を全般的に行う
人事人材の獲得、育成、評価に関わる業務を行う
情報システム業務アプリケーションの開発、運用を行う
経営企画企業経営の方向性や新規事業育成に関する業務を担当する
法務企業経営に関する法律業務を担当する
国際海外進出、海外展開に関わる業務を行う
秘書室経営陣のスケジュール管理や社内外のコミュニケーション業務のサポートを行う
その他、一部の業界では「WEB管理」「倉庫」「コールセンター」というバックエンド部門を配置している。

企業研究を深めよう!

企業研究については、業界研究 第7回で取り上げさせて頂きました。

  • 『四季報オンライン』『就職四季報』
  • 企業WEBサイト

が情報収集のメインソースになってきます。

上記に加え、就活ナビサイト、合同企業説明会、OB・OG訪問を活用すると、さらに効果的に企業研究を進めることできると思います。

就活ナビサイト
リクナビ、マイナビ、キャリタス就活、あさがくナビ大手サイトになります。
大手サイトは、会員登録をしておけば、エントリー時の入力を省略できる企業が多くありますし、エントリーした企業以外からのお知らせを受信することもできます。
ただし、大手サイトは、企業よりの情報(企業にとって好ましい情報)しか掲載されていないというデメリットも指摘されています。
大手サイトに掲載された情報を無批判に信じるのではなく、多角的に情報を集め、情報の真偽を慎重に吟味、検証する姿勢を持つようにしましょう。
合同企業説明会
合同企業説明会では、多数の企業が1か所の会場に集まり、企業や採用のPRをします。
求人票だけでは知ることのできないリアルな情報や雰囲気を目と耳で確かめることができますし、「将来性のある企業」や「隠れた優良実力企業」との出会いも期待できると思います。企業の採用担当者と直接コミュニケーションを取れる機会に恵まれることも、合同企業説明会の大きなメリットと言えるでしょう。
OB・OG訪問
業界研究で得た知識が正しいかどうかを検証する有効な方法として、OB・OG訪問があげられます。
自分の求めているものが企業にあるのか、企業が就活生に求めているものは何であるのか、率直な質問をぶつけてみましょう。
志望度が高い企業では、若手社員(1~3年目)、中堅社員(4~14年目)、ベテラン社員(15年以上)と、幅広い年代の人に話を伺うとよいでしょう。
企業情報を入手できるだけでなく、コミュニケーション能力の向上や面接の練習になることも期待できます。
学生さん
何だか、やること多くて、大変そうです!
なかなか、『志望動機』の作成に入れそうにないです・・・
minamin
大丈夫よ~!
上記のことを完璧にこなせる人なんて、ほとんどいないんだから!!
学生さん
えっ、そ~なんですか?
minamin
企業研究や職種研究がある程度進んだら、集めた情報を「まとめて」みるといいと思うわ!
学生さん
まとめてみる・・・、ですか?
minamin
そう、情報を整理したら、「勉強不足」な点が分かると思うから、その部分を後から補ってあげればいいんじゃないかな?
学生さん
なるほど~、
足りない部分は、情報をアップデートしてあげればいいんですね!
何か、安心しました!!
minamin
じゃあ、これまで集めた情報をまとめてみよっか??
学生さん
は~い!!
お願いしま~す!!!

「企業・職種研究」をまとめよう!

せっかく企業研究や職種研究に時間を割いても、それをまとめなければ、全く持って意味がありません。
それゆえ、研究で得た情報をエントリーシートに活用できる形に「整理し直す」ことが極めて重要になってきます。

以下、企業研究と職種研究の「情報整理法」を紹介いたします!

企業研究の超整理法

業界研究 第7回で、志望企業の重要情報をリサーチしてまとめる以下の課題を行いましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

(1)あなたが気になる企業5社について、①業界業種、②特色、③本社の所在地、④直近3年の売上高、⑤直近3年の営業利益、⑥採用数、⑦従業員数、⑧会社の設立年、⑨平均年収、⑩新卒3年後離職率を調べて下さい。
(2)最後に調べて分かったことや、あなたの感想を書いて完成です!

【ワークシート】企業分析をやってみよう!.pdf

上記をまだやっていない方は、まずこの再掲課題をやられることをオススメいたします。
再掲課題が終わった方は、企業研究の総仕上げとして、次の課題にチャレンジしてみて下さい
この課題ができれば、すぐにでも「企業への志望動機」の作成作業に移れるはずです!

(1)課題のワークシートダウンロードします。
(2)志望企業に「興味を持ったきっかけや理由」、志望企業の「独自性や優れている点」「社内制度や社員教育の特徴」「顧客満足への取り組み」「社会貢献の取り組み」「社風」「社長からのメッセージで強調されていた点」「印象に残った先輩社員のコメント」「中長期ビジョン」をワークシートの表にまとめていって下さい。
*分からない項目はとばし、後から調べ直すようにして下さい。

【ワークシート】企業研究をまとめよう!.pdf

いずれも大切な項目ですが、とりわけ『社長からのメッセージ』『先輩社員のコメント』は、企業WEBサイトでしっかりリサーチするようにして下さい。

『社長からのメッセージ』の中には、企業の強みや特徴、今後の方向性、どんな人材を求めているかに関するヒントがちりばめられています
以下は、TOYOTAのトップメッセージのページですが、豊田章男社長の経営にかける情熱をうかがい知ることができるかと思います。

TOYOTA 企業情報>トップメッセージ

また「先輩社員のコメント」を読むと、この企業で働くことのメリット仕事のやりがいなどをリアルに感じ取ることができるのではないでしょうか
以下は、ロート製薬のPEOPLE & WORKのページですが、若手社員たちが入社を決めた理由、仕事の楽しさ、働くことでの学びや成長、今後成長したいことなどが分かるのではないかと思います。

ロート製薬 新卒採用>PEOPLE & WORK

「社長からのメッセージ」「先輩社員のコメント」を読むことで、“企業側が求めているものは何であるのか”、“自分が求めているものが企業の中にあるのか”を理解することができます。
明確で説得力のある『志望動機』を作成する上で必須の知識となりますので、必ずチェックされるようにして下さい♪

職種研究の超整理法

職種研究については、業界研究 第4回の課題をやって頂ければ、情報の整理がしっかりできると思います。
以下、再掲いたします。

(1)『doda職種図鑑』の中から、おもしろそうだな♪と思った職種をピックアップして下さい(いくつピックアップしても大丈夫です)。
(2)ピックアップした職種のページをよく読み、分かったことをワークシートにまとめていきます(ワークシートは下記よりダウンロードできます)。
ここでは、
・職種名、仕事の内容、どのような能力が求められるのか?、
・仕事の魅力や興味深い点は?、
・自分に向いていると思うか?、自分にできそうだと思うか?、
・自分にとって面白い仕事かどうか?
の項目を記入してみましょう。

【ワークシート】職種研究をやってみよう!.pdf

この課題では、情報源として『doda職種図鑑』を使っていますが、企業WEBサイトに掲載されている「先輩社員のコメント」を読んでみても、大変参考になると思います。

上記の課題が終わった人は、職種研究の総仕上げとして、次の課題に取り組んでみて下さい

(1)課題のワークシートダウンロードします!
(2)その職種をやるときに活かせる自分の長所、強み、経験等を列挙して下さい。
*エントリーシートにおける“長所、強み”については、第4回第5回で扱っています。
*自己分析がまだ終わられていない方は、当ブログの自己分析もご一読下さいませ。

【ワークシート】職種研究を仕上げよう!.pdf

学生さん
今回、新たに2つの課題が出されましたよね?
課題のポイントは、ズバリ何ですか??
minamin
企業や職種で求められるもの自分の能力や適性が、「一致」していることを確認するってことだと思うわ!
学生さん
企業と自分、職種と自分のマリアージュですね💛
minamin
まさにその通りよ!、
あとね、企業や職種に「共感」できるかどうかも大切だと思うわ!!
学生さん
「共感」・・・、ですか?
minamin
自分の価値観や仕事観その企業や職種の中身が、それこそ「マリアージュ」してるかどうかが大切になってくるわけよね♪
学生さん
そっか!、
じゃあ、企業や職種に対して「共感できること」もメモしておくと、『志望動機』作成の時、役立ちそうですよね!!
minamin
そういうことね!
いずれにしても、再掲課題と今回の課題をやってもらえば、「企業が求めるもの」「自分が求めるもの」「それらが一致しているかどうか」が分かると思うわ!!
学生さん
了解です!!
課題、明日までに必ずやってきますね!!!

再掲課題と今回の課題は、『志望動機』作成のネタ(材料)の役割を担います。
まっさらの状態からいきなり『志望動機』を書くことは容易ではありませんが、上記の課題をこなして頂ければ、そこで得られた成果に基づき、着実に『志望動機』を作成することが可能です

少々、面倒くさい作業ですが、これらの課題をしっかりやっておくと、効率よく『志望動機』を作成することができるはずです!

急がば回れ

と思って、課題に取り組んでほしいと思います♪

今回は、ここまでとさせて頂きます。
次回は、『企業への志望動機』の具体的作成法を解説させて頂きます。
最後までお読み頂き、本当に有難うございました。

まとめ

『志望動機』の目的は、「自分が求めるものを『志望企業』が持っている」「志望企業が求めるものを『自分』が持っている」ことを伝えることにあります。求めるもの/求められるものを明確化するためには、自己分析に基づく「自己理解」、企業研究や職種研究に基づく「相手理解」(企業や仕事への理解)が求められます!
自己分析や企業研究、職種研究ができたら、その内容をエントリーシートに活用できる形に整理しておきましょう。整理した内容が、「企業や職種への志望動機」の文章材料(ネタ)となってくれるはずです。志望動機の材料をまとめ、アピールポイントを把握しておくことで、率よくESの文章を作成することが可能になります

>> 08.「企業への志望動機」を作成しよう!
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<引用・参考文献>

キャリアデザインプロジェクト (2019) 内定勝者 私たちはこう言った!こう書いた! 合格実例集&セオリー PHP研究所

岡茂信 (2020) 内定獲得のメソッド エントリーシート 完全突破塾 (株)マイナビ出版