当ブログでは全10回の記事を通して、みなさんに業界研究のやり方、進め方を解説していきます。
初回にあたるこの記事では、
- なぜ就活で業界研究が必要とされているのか?
- 業界研究を行うことにどのようなメリットがあるのか?
- 業界研究の大まかな流れ
を説明させて頂きます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年 彼氏探しの旅
恋に悩む乙女たちの駆け込み寺となりつつあるminamin研究室。
今日も、一人の学生さんが研究室にやってきました。
今、コーヒーでも入れますね!!
いや、恋愛と就活について質問があるんですけど・・・
どういった質問なのかな?
みんな彼氏いるのに、私だけいないんです・・・
私、今、色んな意味で行き詰ってるんですよ~~
けど彼氏いないって、先生、意外だな・・・
あなた、すっごくモテそうなのに・・・
けど、大学に入ってから男友達が増えて、その中の何人かからコクられたりもしたんですけど、「私がその気にならない」んですよね・・・
ちなみに、あなたの方から告白したことはあるのかな?
正直、告白したいほど男性を好きになったことがないんです・・・
じゃあさぁ、あなたにとって、理想の恋人ってどういう男性だと思う??
大学3年にもなってこんなんじゃ、私はダメウーマンですよね・・・(タメ息)
だって、理想の彼氏も理想の会社も、何が何だか、サッパリ分からないですもん!!
けどね、パートナーを選ぶことと、就職先を選ぶことって、すっごく難しいことなんだよ!
悩んでるのは、あなただけじゃないと思うわよ!!
選ぶことって、難しい・・・
このことは、みなさんも経験的にお分かりになっているのではないかと考えます。
どの大学に入学するのか、どのサークルに入部するのか、どこでバイトするのか、今日のお昼は何を食べるのか?など、私たちはその都度ごとに、何かを選び取り、決定することを迫られます。
人生は「選び取ることの連続」なのですが、そうした人生の選択の中でも、
- パートナー(交際相手や結婚相手)を選ぶこと
- どこで働くか(就職先)を選ぶこと
の2つが、最も難易度が高い、『究極の選択』であると心理学では考えられているのです。
では、なぜ『パートナー選び』と『就職先選び』が最も難しい人生の選択とされているのでしょうか?
業界研究の重要性とその目的を理解する上で大切なことなので、以下、詳しく解説させて頂きますね。
恋人選びと会社選びが難しいワケ
①選択肢が多すぎる!
マジメな話をすると、例えばあなたが「20代未婚男性と付き合いたい!」って考えたとするじゃない?
そしたら、国内にその候補は、500万人いるって話になってくるの!
選択肢が少なすぎても困ったことになるんだけど、この場合、逆よね・・・
多すぎて決められない・・・、だから困っちゃうのよね!
優柔不断な人じゃなくても、迷って当然ですよね・・・(納得)
「彼氏候補があまりに多すぎて、一人に決めることが難しい」というお話でしたが、では『就職先選び』(会社選び、企業選び)についてはどうなんでしょうか?
前回お話ししたように国内には約400万社の企業があるとされており、この中からみなさんは就職する企業を「選び」とらなければなりません。
便利なネット社会ですが、400万社全ての企業をググって調べるのは、至難の業と言わざるを得ないでしょう。
恋愛であれ就活であれ、選択肢が多すぎると、候補となるもの全てを見通して比較することができなくなってしまいます。
結果として、豊富な選択肢の中から「自分にとってベストなもの」を選択することができず、大いに思い悩み、混乱する事態に陥りやすいのです。
②選ぶための基準があいまいである!
だって、ステキな男性も色々じゃない??
外見がステキな場合もあるし、性格や生き方がステキな場合もあるし・・・
もともと「ステキ」って言葉があいまいな上に、どの基準にもとづいて男性を見ていけば「ステキ」な人にたどりつくのか、そのあたりのことがハッキリしないのよね・・・
「ステキな人と付き合いたい」、けれども、自分にとってステキなな人が具体的にどのような人物を指すのか、よく分からない・・・。
実際のところ、私もそれがよく分からなくて大変困っているのですが(苦笑)、このことは、みなさんたちの『就職先選び』にも当てはまってくるのではないでしょうか?
就活生の誰しもが、「良い会社に入りたい」と願うはずです。
しかし自分にとって「良い会社とはどのような会社なのか?」が、ぶっちゃけた話、よく分からないのです。
もちろん、異性であれ、企業であれ、何らかの基準(例:イケメンかそうでないか、大企業か中小企業か)を用いれば、それらを整理・分類することができます。
しかし「パートナー選び」や「会社選び」に一つの正解がないため、どの『基準』を使えば、自分にとってベストな選択肢にたどり着くのかが、不明確でよく分からないのです。
こうした「何かを選びとる際に用いる基準のあいまいさ」も、判断や意思決定を難しくしている要因と考えられるでしょう。
③不慣れな課題である
そのお店でしか買わないわけだから、どういうテーストのものが売られているかがだいたい分かっているし、コーデもイメージしやすいのよね!!
すっごく悩むと思います、情報とか知識が頭にないんで・・・
これが過去に3000人と付き合っていれば、男性慣れしていて、見る目も養われているじゃない?
そ~いう人だったら、すぐに「理想の男性」を見極められると思うんだけど、現実問題、そんな人いないわよね・・・(苦笑)
ほとんどの女子大生が男性慣れしてないから、「理想の男性」が何かがよく分からず、結果、恋人選びで悩んでしまうってことですよね?
納得しました!!!
上述のことは、『就職先選び』でもピタリと当てはまってきます。
もともと大学生は、自分のアルバイトを探すぐらいしかやったことがないため、仕事を選ぶという経験が圧倒的に不足しています。
加えて、週に2~3日、一日数時間ぐらいしか働く経験(就労経験)をしていないため、「よい企業とはどのようなものか」「自分にとって働きやすい仕事とは何であるのか」を考えるための知識(データベース)も欠如しています。
つまり、仕事を選んだり、仕事をする経験が不足し、不慣れであることが、会社選びを難しくさせている一因であると指摘することができるのです。
④時間的制約がある!
私も実は、不安なんです・・・
このまま彼氏ができず、結婚ができないんじゃないかって・・・
日本の女性は、29歳で結婚して、30歳に第一子を出産するのが平均的なんだって!!
私、もう10年切ってるじゃないですか!!
マジ焦りますよね・・・
心理学の研究によると、タイム・プレッシャーが強く、焦りが強くなってしまえばしまう程、よりよい意思決定ができなくなくなるってことが分かっているの・・・
「クリスマスまでに何とか恋人を!」って焦ってしまって、結局、残念な人と付き合っちゃうとかがそれに当てはまりますよね!!
おっしゃる通りでございます。
私もそれで何度か失敗しました(苦笑)。
実は『就活』でも同様のことを指摘可能だと思います。
確かに、長い時間をかければ、「理想の就職先」についての納得できる答えが出せるかもしれません。
しかしご存知のように、大学生の就活は実質的にスケジュールが決まっており、そのスケジュールを逃すと途端に就職がしにくくなってしまいます。
その意味で就活は、恋愛/結婚と同様(あるいはそれ以上に)、厳しい時間的な制約とそれに伴うタイム・プレッシャーが存在すると言うことができるでしょう。
非常に限られた時間の中で、人生を左右する選択を決めなければならないことがいかに大変なことなのか、ご想像に難くないのではないかと思います。
⑤正解がなく終わりがない
けど、それが正解とは言えないでしょ??
けどさぁ、「納得する」とか、「満足する」とかってすごく難しいことでしょ、
だから、パートナーの決定が、後ろにずるずるのびていくんだよね・・・・
今の私が、まさにそ~なんだと思います(苦笑)
今の私(minamin)も、まさにそ~なんだと思います(大笑)。
私の話はさておき、上記の点は、『就活』においても同様のことを指摘できると思います。
多くの就活生は、早期に(4年になる前に)、内々定を獲得します。
しかし、ほとんどの就活生は、
「もっとよい就職先があるんじゃないか?」
と思い、理想の会社を求めてギリギリまで就活を続けるのです。
またソコソコ納得できる会社が見つかり、内定承諾書を提出したとしても、
「もしかしたら、もっとよい会社があったんじゃないか??」
という気持ちをぬぐいさることができず、モヤモヤ感のまま、10月1日の内定式を迎える就活生も少なくないのです。
心から納得できる(満足できる)就職先を選び決めることがいかに難しいか、ご理解頂けましたでしょうか?
理想のパートナーや理想の就職先を探すのが、こんなにもムズカシイことなんだって、初めて知りました・・・(タメ息)
けど策はあるんじゃないかなぁ?
問題を引き起こしている原因をしっかり考え、その対策を練っていくということですよね!!
それができれば、恋も就活も上手くいくんじゃないかなぁ?
私、がぜんやる気になってきました!!
私、頑張ります!!!
卒業までに理想の彼氏と理想の会社を必ずやゲットしてみせます!!!
学生さん、やる気になってきたようですね♪
本当によかったです!!!
恋も就活も難しい問題ですが、困難な問題に直面した時は、「問題を引き起こしている原因は何かを突き止め、その対応策を考える」という発想を持つことが非常に重要になってきます。
これまでご説明しましたように、就活において、進路決定の難しさは、①選択肢の多さ、②選択基準のあいまいさ、③選択への不慣れさ、④時間的制約、⑤満足することの困難さといった要因により引き起こされています。
ということは、この①~⑤の問題をクリアできれば、進路を一つに絞ることが比較的容易になるのではないでしょうか?
つまり、これら①~⑤の問題を解決し、理想の会社を発見するために「業界研究」が存在すると結論づけることができるのです!!
ところで、みなさんは、
新卒生の3割が、3年以内に離職している
という現実をご存知でしょうか?
様々な理由が考えられますが、
早期離職者は、『業界研究』が不足していた
ことを裏付けるデータが蓄積されています。
つまり、自分の適性や価値観に合致した会社に入れなかったため、仕事で能力を発揮することが難しく、また仕事への意欲も高まらないため、結局、離職という道を選ばざるをえなかったのです。
早期離職をしたとしても、転職することも、もちろん可能です。
しかし経験年数や実績が乏しい状態での転職は、間違いなくキャリア・ダウンを招いてしまいます。
早期離職をすることなく、安定して長きに渡って働ける会社を探すためにも、業界研究はなくてはならないものであると言えるのではないでしょうか?
業界研究の目的とその流れ
最後に業界研究を行う目的や、業界研究の大まかな進め方をお話しして、次回以降につなぎたいと思います。
業界研究を行う理由は、下記の3つにまとめられます。
①企業選びのモノサシ(基準や軸)を作るため
「将来やりたいこととか、行きたい会社、特にないんです・・・」
学生さんから、よくこういったお言葉を頂戴します。
しかしだからと言って、学生さんの意識や意欲が低い訳では決してないと私は思っています。
どういうことかと言うと、多くの学生さんは、日本にどのような企業があるのかをほとんど把握しておらず、だから
「やりたいことがない、行きたい会社がない」
という発想に陥ってしまいがちなのではないかと考えられるのです。
逆に言うと、業界研究を進め、企業を広く知っていく努力を行えば、自分のやりたいことや行きたい会社に出会うことができるのではないでしょうか???
ただし、今回の記事で強調してきたことですが、膨大な選択肢の中から自分が行きたい企業を発見することは、口で言うほど簡単なことではありません。
自分が納得できる、満足できる企業にたどりつくためには、星の数ほどある会社をいくつかのモノサシ(基準や軸)を使って切り分けてみることが必要になります。
数ある会社がスッキリ整理・分類できれば、その中から自分の行きたい企業を絞り込むのは比較的容易になると思います。
つまり、業界という宇宙空間の中から、自分が心から納得できる会社、満足できる会社を見つけ出すために、業界研究は必要不可欠であると言うことができるのです。
②業界や企業の問題点を発見するため
多くの就活生が企業選択の拠り所とするのは、
- 各企業の採用サイト
- 就職情報サイト
- 会社説明会
になってくるかと思います。
しかしこれらのソースから得られる情報は、業界・企業の良い部分(長所)にあたる内容に限られてしまいます。
自分にとって都合の悪いことは言わないというのは、当然と言えば当然なのかもしれませんが、企業や就職情報サイトから提供される情報をうのみにしてしまうと、後々、後悔してしまうことにもつながりかねなせん。
入社してから、
「こんなハズじゃなかった・・・」
となってしまうことを避けるためにも、業界研究をしっかり行い、業界や企業の長所と短所(問題点)の双方を理解する必要性があるのです。
③内定獲得の可能性を高めるため
エントリーシートや面接では、必ず『志望動機』が聞かれることになります。
説得力のある志望動機を述べるためには、とにもかくにも業界研究が大切になってきます。
その企業の業務内容や業界における位置づけ、競合他社との関係、企業の長所と短所、今後の課題、企業にどのような人材が求められているのかと言った点は、業界研究を行わずして知りえることはできません。
業界研究をしっかり行えば、志望動機を論理的に述べることができますし、何よりこれまでしっかり努力したことを採用担当者にアピールすることも可能になります。
業界研究に割いた時間と内定獲得の可能性は正比例する、といっても過言ではありません。
早く志望先を決めなくちゃ、と焦る必要は全くありません。
じっくり腰を据えて、丹念に業界研究に取り組んでほしいと思います。
業界研究の大まかな流れ
就活本や大学のキャリアセンター主催の就職対策講座では、
①業界・業種研究⇒②職種研究⇒③企業研究(個別の企業研究と企業間の比較)
の順番に進めるよう、指導があると思います。
間違いではありません。
この進め方がオーソドックスなやり方だと思います。
ただしこの方法にこだわる必要はありません。
行きたい企業が明確にある人は、まずその企業(A社)から調べていき、そこから業界へと研究を広げていってもよいと思います。
また「私は営業職がやってみたい!」「私は宣伝・広報職にアコガレがあるかも♪」といったように、やりたい職種がハッキリしているのであれば、まず職種研究を行い、その後、業界研究や企業研究を展開していってもよいのではないでしょうか?
上記に加え、企業にじかに触れてみることも重要になってきます。
インターンシップ、OB・OG訪問、会社説明会に参加すると、ネットや就活本だけからでは得られない貴重な情報を得ることができるかもしれません。
そうした機会に積極的にチャレンジしていくと、企業を見る目が養われ、よい企業とはどういうものか、自分に合う企業はどういうものかが分かるようになってくると思います。
いかがだったでしょうか?
今回は、業界研究が就活で必要とされる理由や目的、業界研究を行うメリット、業界研究の大まかなプロセスを説明させて頂きました。
自己分析で自分を知る作業に取り組まれたみなさんが、次にトライすべきことは業界研究になってきます!
大変ではありますが、とてもやりがいのある作業になるはずです!!
さあ、一緒に『業界研究の旅』に出発しましょう!!!
最後に今回の課題を提示したいと思います。
時間に余裕がある方は、ぜひ取り組んでみて下さい!
この問題を克服するために、どのような努力や工夫ができるでしょうか?
あなたができることを、ワークシートに記入してみて下さい。
*ワークシートは、下記からダウンロードできます。
まとめ
次回は、業界研究を行う上で必要となる用語や概念、基礎知識を解説させて頂きます。
最後までお読み頂き、本当に有難うございました。