前回は、『四季報オンライン』、『就職四季報』を用いた企業研究、企業分析の具体的方法を詳説しました。
今回は、多くの就活生が最も気にされるトピックの一つ、『ブラック企業』について解説させて頂きます。
今後の企業選びの材料となる有益な情報を提供すべく、頑張って記事を書いてみたいと思います。
乙女と地雷除去活動
今日暑いから、コーヒーじゃなくて麦茶でいいかしら?
実は、今日も恋愛7ヶ国サミットが学食で開催されたんです!!
ブラック彼氏にひっかからないためには何が必要かを議論したんです!!!
ちなみに、「ブラック彼氏」って、どういう男子のことを指しているのかしら?
今後、学内で乙女たちに注意喚起を行っていく予定です!!
①普段は優しいがキレたら暴力をふるう!
②プライドが高くモラハラがすごい!
③無理やりエッチを迫ってくる!
④ぶっちゃけヒモ男である!
実はね、デートDV(恋人からの暴力)の研究によると、DVの形態は、以下の4つにまとめられているの!!
身体的暴力 (physical violence) | 殴る、蹴る、物を投げつける等 |
精神的暴力 (mental violence) | 無視する、傷つけるようなことを言う、殴るふりをして脅す等 |
性的暴力 (sexual violence) | 避妊に協力しない、性行為を強要する、見たくないのにポルノ雑誌を見せる、性行為をスマホで勝手に撮影する等 |
社会/経済的暴力 (socio-economic violence) | メールをチェックする、行動を監視する、預貯金を勝手にとる等 |
ブラック彼氏の問題って、デートDVの問題としてもとらえられるってことですよね!!
人って、二面性が多分にあるから、男子のいいところだけを見て判断しないことが大切なんじゃないかな?
普段から彼氏候補の男子をよく観察したり、実際におしゃべりやメールをしてみたり・・・、
あっ、それから、周囲にいる人たちがその人のことをどのように評価しているかを調べてみることも重要なんじゃないかな??
何か業界研究と似てますね!!
『ブラック企業』ってどういうものなんですか??
けど大事なことだから、しっかり解説するね!!
ブラック企業の定義は人それぞれ?
ブラック企業であるかどうかを判断することは、とても難しい・・・
これが、大学教員として長年キャリア支援に携わってきた私の「嘘偽らざる感想」です。
例えば、Aさんが念願かなってWEBデザインを手掛ける会社に就職したとしましょう。
納期前は残業も多く、給与も相場平均より安めですが、Aさんは夢中になって仕事をしています。
「こんな働き甲斐のあるホワイト企業に就職できて、私は幸せだな♪」
一方、Aさんと同期のBさんは、第一志望の広告代理店に落ちて、仕方なくこの会社に入社しました。
超過勤務、休日出勤、割の合わない給与、そして興味の持てない退屈な業務・・・。
Bさんは、
「こんなブラックな会社、やってられるか!」
そう言って、その会社をたった1か月でやめてしまったのです・・・。
同一の労働条件、労働環境であるにも関わらず、Aさんはその職場を『ホワイト企業』、Bさんは『ブラック企業』と評価しました。
こうした評価の差異は、なぜ生まれてくるのでしょうか?
それは、その人の「仕事に対する価値観」になります。
例えば、これまでも「給与が高いけれども、激務である仕事」を紹介してきました。
「ハードワークでも、とにかく高給がほしい」人にとっては、その企業は『ホワイト企業』になりえますが、「給与が低くてもよいから、仕事が楽で定時にあがりたい」人にとっては、その企業は『ブラック企業』になってしまうでしょう。
またインフラ系企業に代表されるように、年功序列型の人事システムを採用している日系企業は少なくありません。
「安定的に長く勤めたい」「若いうちは出世にこだわらない」人にとっては、そうした職場は大変居心地よく感じるかもしれませんが、「実力主義で、若いうちからどんどん出世したい!」人にとっては、窮屈で退屈な職場に感じられるかもしれません。
さらには成果報酬型を導入している外資系企業の社員は、ノルマやミッションを達成すると、日系企業で働く人が想像できないほどの給与を手にすることができます。
プレッシャーを「楽しみ」ながら、結果を出していける人にとっては、外資系企業は『ホワイト企業』と言っていいのかもしれません。
しかし、そうしたプレッシャーをストレスに感じる人にとっては、競争の激しい外資系企業は、生き地獄以外の何物でもないと思います。
心身共に疲弊して、いずれは退職をせざるを得ないでしょう。
つまり、その人の価値観に合致した企業であれば、その企業は『ホワイト』に、合致しない企業であれば、同じ企業が『ブラック』になってしまう側面が多分にあると言えるのではないでしょうか?
ただし、こうした「労働者と企業のミスマッチ問題」は、自己分析と業界研究をしっかり行うことで、ある程度回避できると考えられています。
当ブログでは、自己分析 第4回で扱った課題(「ライフプラン」「仕事・生活・人生を考える7つの質問」)、そして業界研究 第6回で扱った課題(「企業選びの優先順位を考えよう!」)に取り組みました。
こうした課題をやって頂ければ、
自分がどういう価値観を持っていて、どういう仕事をしたいと思っているのか?
さらには、
どういう生き方をしたいと思っているのか?
といった点が分かるのではないかと思います。
そして、こうした自分軸を基準に会社を選んでいけば、上述のようなミスマッチは生じないものと考えます(だからこそ、自己分析と業界研究に力を入れるべきだとも言いかえられるのですが・・・)。
と、ここまでは、人の主観(価値観)により、ブラックになったり、ホワイトになったりする企業についての話をさせて頂きました。
しかし、個人の主観や価値観とは無関係に、客観的に『ブラック』と定義できる企業が多数存在しているのも事実であります。
では、『ブラック企業』とはどのようなものなのでしょうか?
そしてそれを、どのようにしたら見分けられるのでしょうか?
これまで話してきたように、企業って色んな側面があるでしょ??
ブラックかどうかは別として、新卒者が会社を辞める理由って、そのほとんどが『働きやすさ』に関わるものなの!!
そうなんです!
以下は、(独)労働政策研究・研修機構が2013年に実施した調査結果をまとめたものです。
調査では、初めて就職した会社をなぜ離職したのかを、複数回答で尋ねています。
仕事を辞めた理由(複数回答可) | 割合(%) | |
1位 | 労働時間・休日・休暇の条件 | 29.2% |
2位 | 人間関係 | 22.7% |
3位 | 仕事内容が合わない | 21.8% |
4位 | 給料 | 18.4% |
5位 | ノルマ・責任が重い | 15.8% |
これによると、第1位に「労働時間・休日・休暇の条件」、4位に「給料」が入っています。
これらはいずれも『働きやすさ』を構成する要素であり、働きづらい労働環境に耐えられず、新卒入社者が退職したと解釈することができるでしょう。
もちろん、第2位の「人間関係」、第3位の「仕事内容が合わない」といった、いわゆるミスマッチ問題で離職した若者もいますが、データを見る限り、『働きやすさ』の程度がブラック企業とホワイト企業を切り分ける決定的要因になっていると判断して間違いないでしょう。
ぶっちゃけ、ブラック企業の特徴ってあるんですか?
ブラックな会社にだけは、絶対入社したくないんで!!
そうですよね、ブラックな会社にだけは入りたくないですよね。
以下、ブラック企業の10個の特徴を一つずつ説明させて頂きます。
1.会社が経営危機である
会社が苦しくなれば、労働環境は確実に悪化するから、就活生にはまずこの点をチェックしてほしいってことなの!!
はい、解説させて頂きます!
倒産の危機があるかどうかは、企業がどの程度借金をしていて、その企業にどの程度の資産があるかを見れば、客観的に判断することが可能です。
当たり前の話ですが、借金をすれば利子がつきます。
この利子付き借金が多いようであれば、企業経営として不健全であり、倒産のカウントダウンが始まっていると考えていいでしょう。
みなさんに見て頂きたいのは、「自己資本比率」になってきます(小宮,2009)。
「自己資本比率」とは、純資産の合計を総資産で割った数字になります。
これは、資産を賄っている資金のうち、返済する必要のない資金の比率のことで、会社の中期的安全性を表す代表的な指標となっています。
製造業など固定資産を多く使う企業では20%、商社など流動資産を多く使う企業では15%が最低ラインになってきます。
どんな業種でも、
自己資本比率が10%を切ると、経営的に危ない!!!
そうと覚えておいて下さい!
さらに、自己資本比率がマイナスである場合は、既に債務超過に陥っていますので、状況が好転しない限り、その企業は破綻すると考えて間違いはないでしょう!!
業界・業種により違いはあるけど、とりあげず自己資本比率が10%を切っていれば、「危ない」と考えていいってことなんですよね!!
どうやって調べればいいんですか?
はい、解説させて頂きますね!
企業は公式HPで、財務状況を公開しています。
インターネットで、「企業名_財務状況」「企業名_財務データ」と検索すると、すぐにその該当ページに辿り着くことができます。
ここでは、ANAを例にあげ、説明していきますね♪
Table1 ANAの財務状況(2020年3月)
総資産 | 純資産 | |
通期 | 2,560,153 | 1,068,870 |
3Q | 2,754,250 | 1,175,937 |
2Q | 2,718,066 | 1,129,573 |
1Q | 2,718,332 | 1,092,019 |
*1Q(第1四半期)、2Q(第2四半期)、3Q(第三四半期)を表す。 |
ここで、通期の
[純資産]1,068,870÷[総資産]2,560,153
をすると、0.42という数値が算出されます(小数第3位を四捨五入)。
ANAの自己資本比率は40%超と10%を大きく上回っているため、極めて健全な経営をしていると判断できるでしょう(なおANAの場合は、自己資本比率のデータを表とグラフで開示しているため、自分で計算をしなくても、その値を確認することがきます)。
また計算するのが面倒だという読者の方には、下記のサイトを使うこともできます!
こちらは、自己資本比率をランキング形式で紹介するサイトになります。
表示形式を変えることで、自己資本比率が高い順、低い順に並び替えることもできます。
企業名を入れて検索がかけられないのが難点ですが、業種別の検索ができるため、同業他社との比較が容易にできるというメリットがあると思います。
ぜひご活用下さい♪
2.長時間労働・過重労働である
THE ブラック企業!!
先生、その点、ズバリ教えて下さい!!!
では、長時間労働の実態を、「残業時間」から読み解いていきたいと思います。
以下のグラフは、Vorkers(現:OpenWork)が2007年から2014年に収集した約68,000件のデータをまとめたものになります。
これによりますと月の平均時間として最も多く回答されたのが30時間の14.5%ですが、残業時間が30時間以上と答えている労働者が50%以上もいます(ちなみに平均残業時間は47時間になっています)。
では、ブラックとホワイトを切り分ける残業時間のラインは、いったい何時間なんでしょうか?
読者のみなさんは、「45時間」と「80時間」という言葉を覚えておいてほしいと思います。
残業時間は、労働基準法第36条により上限が定められています。
基本的に1ヶ月45時間(3ヶ月を超える1年単位の変形労働時間制の対象者は42時間)の残業が上限であり、この45時間を超えて労働者を働かせる場合は、新たに労使協定を結ぶ必要があります。
労働時間が長い特殊な仕事は除き、法定上限値の1ヶ月45時間超の残業が常態化している企業は、ブラック企業の可能性が大いにアリ!と考えて下さい。
一方、厚生労働省は、「過労死ライン」として、平均残業時間80時間という数値を示しています。
このラインを超える残業が2ヶ月以上継続した場合、心疾患等の発症リスクが高まり、最悪、過労死を引き起こします。
つまり「80時間」の残業は、人を死亡させるレベルの激務であり、労働者の生命を危険にさらす残業を常に強いる会社は、間違いなくブラック企業と断言できるでしょう。
3.休日が少ない・有休がとれない
ところで、日本の労働者って、年間どのくらい休みがあるんですか?
一般的な会社で休日が100日を切っていたら、それは少ないと見た方がいいんじゃないかしら?
確かにこれを下回ったら、体力的にキビシそうですね・・・
休日が80日を切っていたら、ブラック企業の疑いアリ!!
よーく覚えておいてほしいと思います。
一方、有休取得についてはどうでしょうか?
実は、企業が一定の基準を満たした労働者に有休を付与することは、労働基準法第39条により規定されています。
繁忙期など妥当な時季変更権を有する場合を除き、有休取得の申し出を「うちでは有休はとれないから」などと却下する行為は明らかに違法行為であり、その時点でブラック企業と判断することができるかと思います。
4.給料が安すぎる(高すぎる)
これを下回ったら、ブラックの疑いありってことですか?
例えば、基本給が17万で「残業が全くない仕事」と「毎日必ず2時間の残業がある仕事」があったとするじゃない?
もし後者が残業代を基本給に含める雇用契約を取っている場合、どうなると思う?
計算しなくても分かります!!
給与の安さについて、その他、注意した方がいいことって、何かありますか??
給与の安さの問題については、「ボーナス」と「賃金上昇幅」も気にされてほしいと思います。
ボーナスが安い(ボーナスがない)
例えば、A社の基本給が17万、B社が20万だとします。
おそらく多くの就活生が、「B社の方が給与が高くてよい会社だ!」と感じられると思います。
しかしA社のボーナスが200万、B社のボーナスが50万と知ったらどうでしょうか?
基本給とボーナスを単純に合わせた額で比較すると、A社の年収は400万、B社は300万となり、約100万円の開きがでてきます。
基本給だけを見るのではなく、「年収としていくらなのか?」を必ずご確認頂きたいと思います。
賃金があまり上昇しない
また「賃金上昇幅」については、既出記事をご一読下さい。
初任給は大差がなくても、その後の昇給がほとんどない業界も存在します。
勤続年数に応じて確実に昇給できる仕事とそうでない仕事とでは、生涯獲得賃金に大きな開きが生じてきます。
『就職四季報』等を確認する時は、初任給だけでなく、30歳、35歳の平均年収も必ずチェックされるようにして下さい。
肝に銘じておきます!!
また、また離職者が継続的に多く、早期に人員を確保しなければならない企業では、相場平均よりも高い給与水準を設定してくるケースが多く認められます。
言葉は悪いのですが、高い給料で就活生を「釣る」ような企業が存在するのです。
業績はかんばしくないにも関わらず、同業他社よりも不自然に高く給与を設定している場合は、ブラックの疑いもありますので、注意が必要になろうかと思います。
5.残業代が出ない
けどそんなバカな話、ホントにあるんですか?
「固定残業制度」とか、「裁量労働制度」って言葉、聞いたことある??
初めて聞く言葉ですね・・・、
どういう意味なんですか?
固定残業制度のワナ
まず固定残業制度(見なし残業制度)について、具体例を出して説明させて頂きます。
例えば、求人広告の基本給の欄に、
・基本給20万円(残業手当8万円を含む)
と記載されている場合が多々あります。
この場合、80時間の残業をして初めて、20万円の給与を得ることができます。
いわば、基本給を「水増し」し、求職者を「だます」意図が認められるのです。
普通、基本給17万円にプラスして、残業代が支払われるって思うじゃないですか!!
就職してから口頭で伝えてくる企業もあるかあらね!!
ひ、ひどすぎる・・・
裁量労働制度のワナ
次に、「裁量労働制度」について説明します。
これは、労働時間を含めた働き方を労働者の裁量に任せるという制度を指しています。
この制度では、実際の労働時間の多寡(多い、少ない)に関わらず、「一定の時間を働いた」と見なされます。
仕事がサクサク片付いて6時間で済んだ日も、思うように進まず10時間かかった日も、一律「8時間働いたと見なす」とでも言えば、ご理解頂けるのではないかと思います。
裁量権があると言うと聞こえはよいですが、裁量労働制度の場合、実際の労働時間に関わらず、支払われる給与は「一定」であるため、残業時間というものが存在しなくなってしまいます。
つまり、いくら働いても「裁量労働制だから」と残業代を支払われず、長時間労働を強いられてしまうのです。
こうした「裁量労働制度」に加えて、残業代は支払うが一定時間分しか支払わない、という違法な企業もあります。
元々、ブラック企業は残業が多いという特徴を持っていますが、「固定残業制度」「裁量労働制度」に認められるように、「働いた時間と賃金の関係」をあいまいにする巧妙な手口が用いられており、長時間労働・過重労働の温床となっています。
いずれにせよ、求人欄に「固定残業制度」「裁量労働制度」というワードが出てきたら注意して頂き、その実態(中身)をしっかり精査するようにされて下さい。
6.新卒3年後の離職率が高い
キャリセンの就職対策講座でも、離職率をしっかり見なさいって指導がありましたもん!!
はい、しっかり解説させて頂きますね。
厚生労働省は、新卒者の3年後離職率のデータを公開しています。
それによると、新卒3年後の離職率は、約30%になっています(厚生労働省,2018)。
したがって、この離職率3割というラインが一つの目安になってきます。
3割を超えていれば、ブラック企業の可能性アリ!
そう思って頂いて、間違いはないでしょう。
また、企業規模や業界・業種によっても、離職率に差があることが分かっています。
まず事業規模については、下図のように、企業規模が小さい会社ほど、離職率が高いという傾向が示されています。
大企業が全てホワイト企業かと言うと、そういう訳では決してありませんが、企業規模が大きくなると、労働者に配慮した社内の仕組みが確立され、労働環境が一定の水準に保持される傾向があるため、下記のような結果になったものと思われます。
また、業界・業種による離職率の違いについては、以下の図をご覧下さい。
「宿泊業、飲食サービス業」49.7%、「教育、学習支援業」46.2%、「生活関連サービス業、娯楽業」45.0%、「医療、福祉」37.8%、「小売業」37.7%「不動産業、物品賃貸業」33.6%などにおいて、離職率が比較的高い傾向が見られます。
企業によっては男女によって、離職率に大きな違いがある場合があるからね・・・
ちなみに『四季報』見てて、気づいたことがあるんですけど、NAって何ですか??
はい、気になるところですよね。
バッチリ、解説させて頂きます!
NAとは、No Answer(無回答)の略になります。
企業が離職率のデータを開示しない理由は色々考えられますが、「離職率が高すぎて、公表したくない(できない)」というケースが問題になってきます。
それゆえ、読者のみなさんは、NAという表記があった時は、
隠したいほど、離職率が高いのかもしれない!
と用心して、他の情報を色々集めてみられることをオススメしたいと思います。
けど、NAの企業について、他にどんな情報を集めれば、離職率の高さをうかがい知ることができるんですか?
何だと思う?
あとは、平均勤続年数を見ると、早期離職者が多い企業かどうかが分かるかもしれないですよね??
以下、補足説明していくね!!!
NA企業の「従業員数」と「毎年の採用実績数」の比率に注目!
まずNA企業の「従業員数」と「毎年の採用実績数」の比率を見てみましょう。
従業員数と毎年の採用実績数は、『就職四季報』の基本情報であるため、ほとんどの企業が情報を公開しています。
従業員数の割に毎年の採用実績数が多すぎる場合は、次々と辞める若手社員を補充するために、採用実績数が多めになっていると考えられます。
一つの目安ですが、従業員数の4分の1以上の大卒新入社員を採用している企業は、要注意です。
そうした企業は、新卒者が大量に辞めることを見越して多めに採用していることがうかがわれるからです。
『就職四季報』の【3年後離職率】が無回答(NA)であったとしても、この「従業員数」と「毎年の採用実績数」を見て頂くことで、当該企業がブラックであるか否かをある程度推測することが可能と言えるでしょう。
NA企業の「平均勤続年数」に注目!
次に、NA企業の「平均勤続年数」を見てみましょう!
大卒のみを対象に長らく新卒採用を続けている会社であれば、単純計算で22歳から定年60歳までの38年の半分、19年が平均勤続年数の目安となってきます(森,2015)。
平均勤続年数が19年を下回っている場合、その企業は「早期離職者が多い」ことを表していますので、ブラック企業の疑いが出てくるかと思います。
ただし、平均勤続年数が短い場合は、設立年もあわせて確認することが必要です。
例えば、設立から3年しかたっていない企業であれば、全員が働き続けていたとしても平均勤続年数は3年になってきます。
加えて、女性が長く勤めることを想定していない企業の場合には、男性と女性の平均勤続年数が大きく異なるため、男女計の平均勤続年数だけではその企業の実情が見えてきません。
例えば、結婚退職をする一般職が多い企業では、労働環境は悪くなくとも、女性の勤続年数が短くなる傾向にあります。
平均勤続年数を見る場合は、男性と女性、それぞれの平均勤続年数を確認するよう心掛けて下さい。
7.実は非正規雇用だった!?
正社員採用だから、就活生はその企業にエントリーしてるわけですよね!
ブラック企業では!!
「頑張れば、正社員になれる」とかって煽ってね!!
何がでも正社員になりたい新卒者の気持ちを利用してるんですね!!
そうなんです、これは、本当によくある話なので十分気をつけて下さい!!!
読者のみなさんにおかれましては、「正社員募集」と書かれていても、次のような記述がある場合には十分に注意されてほしいと思います。
②入社後1年は準社員
③トライアル雇用、紹介予定派遣
契約社員・準社員=非正規雇用
①②の意味は、はじめのうちは非正規雇用だということです。
最初の半年間や1 年間を契約社員や準社員などとして期間を定めるのは、採用後に「選別」して辞めさせたり、期間満了後の契約打ち切りをちらつかせて過酷なサービス残業に従事させたりするためであると考えられます。
労働相談の現場からは、いつまでも非正規雇用扱いされる実例がいくつも報告されています。
最初の契約社員の時期が終わると、
あなたのことは正社員として採用できない
けれども半年間の契約なら更新できる
もし契約を更新したら、もう一度正社員に挑戦するチャンスを与える
などと言って、いつまでも非正規雇用で、しかも普通の正社員以上に働かされ続けるといったひどいケースが報告されているのです。
実は、「正社員募集」としながら、試用期間としての非正規雇用制度を導入した場合には、法律上は無効だと判断される可能性があります。
正社員採用だといいながら、初めのうちは非正規雇用だというのは、法的には不合理だと判断されるのです。
しかしながら本人も、「はじめは非正規だという契約を結んでしまった」ことから、仕方ないと思い込まされ、泣き寝入りしてしまうことも多いのが実情とされています。
トライアル雇用・紹介予定派遣=クビを切られる可能性アリ
③の「トライアル雇用」や「紹介予定派遣の場合」には、既存の政策や法制度を利用している可能性があり、必ずしも違法であるかは定かではありません。
しかし、それらの制度の意味することは、
試しに雇ってみて、実際には本採用しなくてもいい
ということになってくるのです。
誠実な企業であればあまり用いない採用方法ですし、この制度の下では非正規雇用を継続することになったり、すぐに契約打ち切りにされてしまうトラブルも後を絶ちません。
上記①②③の事例を踏まえると、採用時の雇用形態はどうであるのかについて、事前に注意しておく必要あると言えるでしょう。
8.「若手でも活躍できる」を猛アピールしてくる!
あっ、どのように活躍できるかが重要ってことですか???
はい、そうなんです!!
求人欄に、
・管理職にすぐなれる!!
などといった記載がある場合には、逆に注意して頂きたいと思います。
労働基準法第41条には「管理監督者」という制度があり、管理監督者には残業代がつかないなど、特別な扱いを行ってよいことが盛り込まれています(下表参照)。
Table2 管理監督者には①~④が適用されない!
②労働時間や残業時間に上限を設ける
③36時間以上の労働をした場合は休憩時間を設ける
④4週1日以上の『法定休日』を設ける
名ばかり管理職に要注意!
本当に若くして会社の幹部なれるのなら、法律上全く問題はありません。
しかし管理監督者制度を悪用して、新入社員を「見かけ上の管理職」に仕立て上げ、残業代を支払わずに「ただ働き」をさせようとする企業が多いことも事実です。
ブラック企業が入社後すぐに若手を「管理職」として扱うのは、こうした狙いがあるからなのです。
その場合、単純な業務についているだけで、給料も高くなく、仕事に裁量権もなければ、管理・監督権もありません。
新入社員の「上昇志向」につけ込んで、名前だけを「管理職(=管理監督者)」にし、過重労働を強いる企業が多数存在することを覚えておいてほしいと思います。
9.感動・やる気・情熱・成長・夢の押し売りをしてくる!
昨日、学内合同企業セミナーに参加したんですけど、どこの企業も「感動」「やる気」「情熱」「成長」「夢」のオンパレードでしたよ!
実は、就活生の心を掴む言葉として、企業は、「若手の活躍」「感動・やる気・情熱・成長・夢」をよく用いる傾向があるの!!
感動も成長も夢も、人間にとって大切なことじゃないんですか???
はい、説明しますね!
求人広告に、「感動」「やる気」「情熱」「成長」「夢」という言葉が並んでいたら、怪しいかも!と思って下さい。
特に、どうして顧客や従業員が感動できるのか、どうして成長できるのか、どうして夢を描くことができるのかといった明確な根拠や説明を行うことなく、この手の言葉を使ってアピールしてくる企業には要注意されてほしいと思います。
「感動」「やる気」「情熱」「成長」「夢」といった言葉を押し売りしてくる企業は、実際の詳しい仕事内容を話すと、学生が応募をやめてしまいそうなため、あえて業務内容をぼかすために上記のような「聞こえのよい言葉」を連呼しているものと思われます。
実際よく使われるキャッチフレーズが、以下のようなものになります。
・この挑戦の先に感動がある!
・夢に向かって挑戦できる環境で一緒に働きましょう!
私の印象では、
ブラック企業ほどこうした言葉を多用する
傾向にあるように感じています。
そして、そのような理由で入社した方も、「頑張ります」「やる気はあります」と言った以上、過酷な環境で文句が言えない悪循環が生まれてしまうのです。
ひどい会社になると、文句を言おうものなら「頑張るって言ったんじゃないのかよ!」と引き合いにまで出されたりもするのです(呆れて何も言えないですよね)。
確かに、働く上で「やる気」「情熱」「成長」はとても大事です。
しかし、ブラック企業のそれらはどこかがズレていることが多く、せっかくの良い言葉を自社で都合よくこき使うためのまやかしの言葉に使っていると言わざるを得ないのです。
社長の精神論にも要注意!
社長の「精神論」が猛プッシュされる企業にも気をつけてほしいと思います。
ブラック企業ほど、精神論を好みます。
企業力がない以上、気合いで何とかするぐらいしか、他に方法がないからです。
「やればできる」「感謝」「仲間」などを連呼してくる社長には要注意です。
そうした聞こえの良いフレーズは、ブラックな労働条件や労働環境を偽装するために用いられることがほとんどです。
元々、感動や情熱、夢と言ったものは、労働者が働いていく過程で、心の中に自然に芽生えてくるものです。
決して、企業から押し付けられるもの、与えられるものではありません。
それを押し売りしてくるということは、長きに渡って働いても、感動や情熱、夢が心の中に湧き上がってくることはないということの裏返しなのではないでしょうか?
10.採用プロセスが不自然である
だから、なりふり構わず、色んな手を用いてくるってわけなの!!
以下、採用選考で注意して頂きたいポイントを列挙して説明いたします。
業務内容を具体的に説明しない
もともと、業務内容というものは新卒の学生にとってはわかりにくいものです。
働いたことがないわけですから、イメージしにくいのは当然ですよね・・・。
とはいえ、何をしている企業なのか、入社したら具体的にどんな仕事を任されるのかなどがあまりにも不明確な企業は、要注意です。
ブラックな業務内容であるため、それを意図的に不明確にしていることがあるからです。
無名企業なのに、会場が豪華すぎる
明らかに知らない企業が、高級ホテルなど、高級感が漂う会場でセミナーを実施している場合は、気をつけて下さい。
これは、学生からの信頼を勝ち得るために、やや背伸びしてそうしていることが考えられるからです(盛ってる訳ですよね)。
企業規模の割に背伸びをしている企業には、そうでもしないと新卒者を集められない事情があるものだと思って下さい。
また私のゼミ生から聞いた話なのですが、内定前に、接待の嵐(お寿司、料亭、高級焼肉)をしてくる企業にも注意が必要です。
確かにバブルの頃は、そういうやり方で就活生を囲い込む方法を取っていた企業があったことも事実です。
しかし、今の時代にそうしたやり方を取ってくる企業は、企業自体に魅力がなく、優秀な人材の確保が難しいため、学生に「媚びを売っている」ものと判断することができます。
豪華な接待や食事は、就活生のことを考えてではなく、あくまでも人材確保の一環であるということを肝に銘じてほしいと思います。
労働条件についてしつこく説得される
面接の際、「世の中、普通はこうだから」などと言われ、明らかに過酷な労働条件について、それが普通であるかのように説得する企業があります。
特に残業時間について過度に説得が行われる企業については注意が必要です。
採用活動においては、たしかにこのように、入社後の早期離職などを減らすために、現実を伝える取り組みはありますが、過度に行われる場合は要注意して下さい。
人物重視に要注意!
多くの大手人気企業は、面接だけでなく、Web テストや筆記試験など、応募者の知的な能力を測る適性検査を実施していますが、そうした適性検査がなく、応募書類と短い面接だけ、という採用プロセスの企業もあります。
適性検査でふるい落とさずに「人物重視」で私のことをよく見てくれる、と思いがちですが、注意が必要です。
適性検査を実施せずに応募書類と短い面接だけで採用を決める企業の中には、採用に時間とお金をかけずに入社させ、入社後の早い段階から高い成果を要求して、その要求にこたえられる人だけを残し、要求にこたえられない人は早期に辞めさせていく、という企業もあります。
そういう企業では、採用選考の段階で、あなたの「能力」よりも「やる気」や「熱意」を
重視したり、入社後の厳しい仕事を通して「成長」できることを自社の魅力としてPR していたりすることもあります。
自社の業務内容や仕事内容を詳しく説明せずに、また、あなたの能力を問うプロセスも省略して、「やる気」「熱意」「成長」といったことばかりを抽象的な形で強調している企業は、要注意と考えた方がよいでしょう。
すぐ内定が出る!
あっという間に内定を出してくる企業にも注意して下さい。
逃げられることに対する焦りなどから、少ない選考プロセスで内定を出していると思われるからです。
確かに、中小企業では社長面接だけで終わる企業も存在はします。
ただ、1 回程度の選考で、何を評価したのかも分からないような企業は要注意です。
また内定後、連絡がない、他の同期と会わせないなど、フォローが全くない企業にも注意して下さい。
企業の現実を見せると、内定を辞退してしまうことを恐れていると思われるからです。
ブラック企業を見分けよう!
こんなにブラック企業の特徴があるとは・・・
ブラック彼氏がかわいく思えてきたくらいです(苦笑)
私、絶対、地雷(=ブラック企業)を外したいです!!
先生、どうやったら、地雷を見分けられますか???
以下、「新聞記事のデータベース」「キャリアセンター」「OB・OG訪問」を活用したブラック企業の判別方法を解説していきたいと思います。
新聞記事のデータベースを活用する!
みなさんは、大学の図書館ガイダンスの中で新聞記事データベースの使い方を学んだことはあるでしょうか?
これらのデータベースは、レポートや卒論を書く際に利用するだけでなく、就職活動でも大いに役に立ってきます。
ある企業がブラック企業かどうか、という情報を得たい場合には、みなさんは検索画面で、
「〇〇(企業名)_ブラック」
といったキーワードを入力して情報を集めるかもしれません。
それによってある程度、情報は集まりますが、その多くは匿名の掲示板や匿名のブログであり、どこまでその内容が本当か、判断がつかないものが多いでしょう。
より信頼性の高い情報を得るためには、新聞記事をデータベースを使って調べてみることを強くオススメしたいと思います!!
新聞記事データベースの使い方
ここで新聞記事データベースと呼んでいるのは、キーワードなどで検索し、過去の新聞記事を調べてその内容を読むことができるものです。
「日経テレコン」(日経新聞・日経産業新聞等の記事を収録)、「聞蔵Ⅱ」(朝日新聞や週刊アエラ等の記事を収録)、「毎索」(毎日新聞やエコノミストの記事等を収録)、「ヨミダス歴史館」(読売新聞の記事等を収録)などが代表的なものです。
新聞記事データベースでは、
「〇〇(企業名)_ブラック」
とキーワードを入れても記事は出てきません。
まずは企業名だけを入れて、検索してみて下さい!
たくさんの記事の「見出しの一覧」が表示されます。
その中から「気になる記事の見出し」を選ぶと、記事の内容を閲覧することができます!!
売上の不振や利益の減少、早期退職の募集など、企業としての先行きが心配な記事が出てくるかもしれません。
経理の不正や製品の欠陥などを知るきっかけになるかもしれません。
そのような情報の中で、サービス残業(残業代不払い)を労働基準監督署が摘発したという記事や、過労死・過労自殺が労災(労働災害)として認定されたという記事なども出てくるかもしれません。
こうした記事が、当該企業がブラックか否かを判断する重要な材料を与えてくれます。
「〇〇(企業名)」とだけ入力し検索をすると、大企業の場合は記事の一覧がたくさん出すぎてしまう場合があります。
そういう場合は、
「〇〇(企業名)_判決」
「〇〇(企業名)_労災」
「〇〇(企業名)_残業」
など、関連しそうなキーワードを入れ、絞込検索を行ってみて下さい!
また、新聞記事データベースにおいて、
「過労死」「名ばかり管理職」「裁量労働制」「みなし労働」「派遣切り」
など、働き方にかかわる様々なキーワードを入れて、そのキーワードにかかわる出来事や解説を読んでみることもオススメしたいと思います!!
新聞記事データベースを使うのが面倒くさいという方は、Yahooニュースを使ってキーワード検索を行ってみてもよいかと思います。
リンク切れになった過去の記事は参照できませんが、最近の記事については十分カバーできるはずです。
大学のキャリアセンターを活用する!
大学のキャリアセンターは様々な企業との接点をもっています。
大学で行われる企業説明会や、その大学あてに出される求人などを通じて、キャリアセンターの職員は、その大学とつながりが深い企業の実際の姿を学生よりもよく知っています。
また、内定や入社、退職をめぐって学生が企業とトラブルになってキャリアセンターに相談に来ることもあり、キャリアセンターの職員は問題事例を蓄積し、内部的に共有したり、大学の垣根を超えて情報共有、情報交換を行っています。
さらに、大学によっては、先輩の就職先の情報を蓄積しているだけでなく、丁寧に追跡調査を行い、ある企業に就職した先輩がその企業で働き続けているのか、辞めてしまったのかもデータとして把握していることもあります。
上述のような様々な活動を通じて、キャリアセンターの職員は、学生があまり目を向けない隠れた優良企業を把握していると同時に、あまりお勧めでない企業も把握しているのです。
志望企業が定まってきたら、個別面談の予約を入れ、キャリアカウンセラーなり、キャリアセンターの職員に、
志望企業がブラック企業ではないか?
志望企業で過去に問題となったケースはないか?
を率直に尋ねてみて下さい!
インターネットからは入手できない、貴重な情報に出会えるのではないかと思います!!
OB・OG訪問を活用する!
自分の関心がある業界や企業で働いている先輩などから個人的に話を聞く方法もオススメしたいと思います!
これを『OB・OG訪問』と呼んでいます。
OG・OG訪問の具体的なやり方については、次回詳しくお話しさせて頂きますので、ここでは、ブラック企業を見分けるためにどのようなことを聞いたら良いかをピックアップしてお伝えさせて頂きます!!
・毎日の残業はどのくらいあるのか?
長時間の残業がよくあるのか?
・休日出勤はどのくらいあるのか?
・うつ病など、体調を崩している人が職場にいないか?
・新入社員はどのぐらい定着しているのか?
・辞める人はどのような理由で辞めているのか?
・仕事の量や難易度に無理はないか?
どのようなノルマがあるのか?
・適切に指導してくれる上司がいるのか?
・残業代は適切に支払われているか?
・裁量労働制など、特別な働き方が行われているのか?
・有給休暇は取りやすいか?
有休休暇の取得率はどのくらいか?
・病気やけがなどの際、休みがとりやすい職場かどうか?
例えば、キャリセンだけに頼っちゃうと、見落としてしまう事実もあるだろうし、情報の信ぴょう性に問題があることもあるからね!!
(米倉風に)私、絶対失敗しないんで!!
ブラック企業なんて蹴散らしてしまいなさい!!
ホワイト企業を探そう!
ブラックなお話のオンパレードだった今回の記事。
読者のみなさんも、大変お疲れのことと思います。
最後に「お口直し」に、今回の課題を提示したいと思います。
みなさんは、厚生労働省が運営する『若者雇用促進総合サイト』をご存知でしょうか?
このサイトは、いわゆる求職者と企業のマッチングサイトですが、厚生労働省が運営しているだけあって、大手就活ナビサイトとは一線を画しています。
『若者雇用促進総合サイト』の何が特徴的かと言うと、
★次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定・プラチナくるみん認定制度」
★女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定制度」
といった厳しい基準に合格した優良企業のみを検索することが可能となっております。
もちろん、このサイトに掲載されている企業の全てが、あなたが考えるところの「ホワイト企業」であるという保証はありません。
あくまでもこのサイトでは、一定の基準を満たしている企業の一覧であり、それらの基準以外の状況は保証されていません。
厚生労働省の基準を満たしていても、宣言を行っていないため一覧表には載っていない企業も、もちろん存在します。
ただし、このサイトから提供される企業情報が「ホワイト企業」とはどのような企業なのか?を考える有用なきっかけや手がかりに与えてくれることは、間違いないことだと考えます。
では早速、『若者雇用促進総合サイト』を使った課題をやってみたいと思います!
(2)若者雇用総合促進総合サイトの企業検索にアクセスします。
(3)企業検索では、企業区分・求人区分・従業員数・産業・職種・就業場所で絞込検索ができます。あなた独自の絞込基準で、優良企業5つをピックアップして下さい。
(4)ピックアップした企業の「従業員数」「業種」「勤続年数」「平均年齢」「所定労働時間」「有給休暇取得実績」「育児休業取得実績」「新卒者等の採用状況」をワークシートの表にメモしていって下さい。
これまで自分が調べてきた企業と今回新たに調べた企業で、雇用条件がどのように異なるかを比較してみても有益ではないかと思います。
ブラック企業のことばかりが世間でクローズアップされていますが、まっとうな経済活動を行っている企業、若者や女性に配慮した企業、利益を上げつつも社会貢献に積極的な企業が存在することも事実です。
あなたの理想にピッタリの『ホワイト企業』を探していってほしいと思います!!
まとめ
①会社が経営危機である、②長時間労働・過重労働である、③休日が少ない・有休がとれない、④給料が安すぎる(高すぎる)、⑤残業代が出ない、⑥新卒3年後の離職率が高い、⑦非正規雇用採用である、⑧若手でも活躍できるを押し売りしてくる、⑨感動・やる気・情熱・成長・夢を猛アピールしてくる、⑩採用プロセスが不自然である
次回は、企業へのアプローチと題して、インターンシップ、OB・OG訪問について説明させて頂きます。
最後までお読み頂き、本当に有難うございました。
>> 09.『インターンシップ/OB・OG訪問』を行おう!
<< 07.『企業研究』をやってみよう!
- <引用・参考文献>
(独) 労働政策研究・研修機構 (2016) 若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状:「平成25年若年者雇用実態調査」より JILPT 資料シリーズNo.171
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0171.pdf小宮一慶 (2009) 倒産に至る道:JALとダイエーの共通点 プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/554今野晴貴・常見陽平・上西充子 (2013) ブラック企業の見分け方~大学生向けガイド~ ブラック企業対策プロジェクト
http://bktp.org/厚生労働省 (2018) 新規学卒離職者の離職状況(平成27年3月卒業者) 厚生労働省プレスリリース(平成30年10月23日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11652000/000510780.pdf森智彦 (2015) 就活生必見!「平均勤続年数」トップ200社 東洋経済オンライン(四季報プラスワン)
https://toyokeizai.net/articles/-/60138