自己分析の記事も、今回で5回目に突入します!
前回は、未来の自分を思い描く自己分析を紹介しましたよね♪
自分の『あるべき未来』を考えることで、「今後進むべき方向性」と「それに向けてやるべきこと」がハッキリしてきたのではないでしょうか?
今回も自己分析の新たな方法を紹介いたしますね♬
「異性としての魅力」とは?
どうかしたの??
友人から無理ムリ誘われて、単なる数合わせなんですけどね・・・
頑張ってきてね!!!
合コンが嫌いなの???
無理して行ったって、イイことなんて何もないと思うんで・・・
あれだけ「恋がしたい、恋がしたい、恋がしたい」と言っていた彼女が、合コンに行きたくないだなんて・・・。
一教員として、このゆゆしき事態を看過することはできません。
ここは自己分析をやってもらい、スッキリ合コンに行ってもらうことにいたしましょう!
いっぱい魅力、見つかると思うわよ💛
私、全力で取り組みます!!
という訳で、みなさんも時間がございましたら、一緒に考えて頂ければ幸いです♪
制限時間は2分とさせて頂きます!!
私、ダメ女、決定みたいです・・・
やっぱり合コン、ムリそうです・・・
ここのところ、毎日のように私の研究室に遊びにきてくれる学生さん(みなさんもよくご存知ですよね)。
彼女は同性の私から見ても、「とても魅力的」に映っていました。
チャーミングでオシャレだし、何より、人となりが素晴らしい!
非の打ちどころがない学生さんだったので、
「(実は)男子からモテてるんだろうなぁ・・・」
と思いながら、彼女のことを見ていました✨
しかし実際の彼女は、自分に対してとても自信がなく、そしてそのことをひどく悩んでいたのです・・・。
「自分で自分のことを評価してあげるってことは、難しいことなんだよね・・・」
彼女の言動を目の当たりにして、私はそう思わざるをえませんでした。
心理学的に言うと、「魅力が何もない」人は、この世の中に存在しません。
どんなに人にも、何かしらのチャームポイントがあるはずなのですが、自分のことを一番知っているはずの当の本人が、それに気づくことができないのです・・・。
その証拠に、先ほどの質問で制限時間内に「自分の『異性としての魅力』を10個あげられた人」は、ほとんどいないのではないでしょうか?
自分の「良さ」や「魅力」を理解することって、それだけ難しいことなんですよね・・・。
「自分」っていったい何者なんでしょうか?
自己分析をしていると、誰もが直面する難しい問題です。
そして、そうした「自分自身」を本当の意味で理解するためにはどうしたらよいのでしょうか?
今回は「自分とは何か?」という視点から、お話を進めていきたいと思います。
私が私であること
ここで「自分自身」というワードに注目したいと思います♪
みなさん、アイデンティティという言葉を聞いたことがありますか?
アイデンティティとは、
「私」が「私」であること
を指しています。
もう少し専門的なお話をさせて頂くと、発達心理学という学問では、アイデンティティを
と定義しています。
分かりやすく言うと、「過去も現在も未来も、私は変わらず私であり続ける」と実感できること(つまり「私は私だよね!」と思えること)がアイデンティティなのです。
【過去】・【現在】・【未来】
なんか聞いた言葉ですよね♪
そうです!
これまで当ブログでやってきた自己分析が、まさにアイデンティティを扱っているのです!!
既出記事で私は、読者のみなさんに
「自分自身とは何者であるのか?」
を理解して頂きたかったので、過去をふりかえってもらったり、現在の気持ちを考えてもらったり、未来の自分を思い描いて頂いたのです!!!
これまでの自己分析を通じて、みなさんは、「これまでも、これからも、私は私であり続ける」という認識が、以前よりしっかりしたものになったのではないでしょうか?
自己分析を行う意義は、まさにここにあります。
自己分析を行うことで、私たちは、
を持つことができるのです!
他人が思うところの自分
「過去の自分」「現在の自分」「未来の自分」が“つながった”まさにその瞬間、みなさんは、
「私」は「私」である!
という感覚を強くされたのではないかと考えます。
ただし本当の意味でアイデンティティを獲得するためには、過去・現在・未来の私がつながることに加え、
必要があるとされています。
ちょっと難しいお話なので、説明させて頂きますね♪
私は、細々と心理学を研究しながら、大学教員をやっています。
私自身、
「自分は、大学教員である」
と思っているのですが、私がそう思うだけでは、大学教員として社会的に成立しないと思います。
どういうことかと言うと、学生さんが
「minaminは、ウチらの先生だよね!」
と認め、評価しているからこそ、「大学教員としての私」が成り立っているのではないでしょうか?
例えば、学生さんが誰一人として私のことを教員として認めていなければ、授業をしに教室に行ったとしても、そこには誰も座っていないですよね(^^♪
授業もできず、教員としての仕事をすることができなければ、「私は、大学教員である」というアイデンティティが成立しないことになってしまうでしょう・・・。
つまり、学生さんの承認や評価があって初めて、私の「大学教員」というアイデンティティが、かろうじて保たれていると言えるのです!
まわりくどくなりましたが、私が私であるためには、
が必要不可欠になってくるのです!!
自分の良さは、分かりづらい ?!
ではみなさんは、周りにいる他人からどう思われているのでしょうか?
実は、みなさんが思っているよりも、ずっと「好ましく」評価されていることが分かっています!
以下の図は、ある研究者が、自分で思うところの自分(自己評価)と他人が思うところの自分(他者評価)がどのように食い違うかを調べたものです(Stopa & Clark, 1993)。
具体的には、AさんがAさん自身のことを評価する場合と、他人であるBさんがAさんのことを評価する場合で、評価がどのように異なるかを比較したのです。
図の見方ですが、縦軸は「否定的な評価の高さ」を表しており、棒グラフが上にいけばいくほど、その人自身を悪く評価していることを表しています。
このグラフからどのようなことが分かるでしょうか?
早速、学生さんに聞いてみることにいたしましょう♪
ってことは、どういうことなのかな?
意外でした・・・
この研究結果は、
ことを示唆していますが、このことは、私の学生さんの
『合コン、行きたくない問題』
にも通じるものがあるのではないでしょうか?
つまり、他人である私はその学生さんの「異性としての魅力」をいくらでも挙げられるのですが、当の本人は、なかなかそれに気づけないのです・・・。
だからこそ、彼女は、真剣に悩んでいたのですよね♪
他人の視点を取り入れよう!
前述の示唆は、就活の自己分析にもピタリと当てはまってきます。
自己を掘り下げ、分析すると、弱点や欠点ばかりに目が行きがちになり、長所や魅力、アピールポイントをなかなか発見できない事態に陥りやすいのです・・・。
こういう時に有効になってくる方法が、他己分析になります!
他己分析とは、
を指しています。
自己分析が行き詰まった時、『他人の視点』を取り入れることで「新たな自分」を発見できますし、他人の客観的評価を自己分析に上手く取り入れることで、エントリーシートや面接で述べる自己PRの説得力を高めることが期待できるのです!
じゃあ一緒にやってみる??
他己分析をやってみよう!
ではみなさんも一緒にやってみましょう!
課題のワークシートをダウンロードして頂く前に、他己分析のやり方を説明させて頂きますね♪
誰にたずねるするのか?
あなたの周囲にいる「色んな人」に他己分析をお願いするのが鉄則です!
色んな人に他己分析をやってもらえば、それだけあなたの持つ様々な側面をとらえることができると思います(↓)。
❶ 大学の先生
❷ お父さん、お母さん
❸ 兄弟姉妹
❹ 大学の親友、知人
❺ アルバイト先の上司、同僚
❻ ネット上の友達
❶は指導教員(アドバイザー、ゼミの先生)が適任ですが、「あなたのことをよく知っていて、頼みやすい先生」にお願いしてもイイと思います!
❹は、同学年の学生さんだけでなく、先輩や後輩の意見も伺ってみるとよいでしょう!!
❺は、とても参考になるので必ず聞いて下さいね♪
バイトのスタッフとして働くあなたへの他己評価になりますので、エントリーシートの自己PRにつながる貴重な情報が得られるかもしれません✨
なお他己分析は「直接会ってヒアリングする」のが基本ですが、メールやSNSを使って意見を聴取してもイイと思います♬
何をたずねるのか?
基本的に何を尋ねてもよいのですが、以下の点を①~⑤の順番でたずねると、必要な情報が得られると思います!
② 私の長所だと思うところは?
③ 私の短所だと思うところは?
④ 私の特徴だと思うところは?
⑤ 私はどういう性格だと思う?
全部大切な項目ですが、とりわけ②が重要になってきますので、あなたの長所をじっくり伺ってみて下さいね♪
また①は、次回の課題でも使用する項目になります。
自分の長所のみならず、印象や雰囲気、イメージについてもしっかり意見を伺うと、今後の自己分析に活用できると思いますよ♬
質問をする際のポイントは、「なぜそう思うのか?」という理由や根拠も尋ねることです!
理由や根拠にあたる部分は、エントリーシートや面接で自己PRをする際、自分の主張を支える骨組みになってくれるはずです!!
他己分析のやり方、ご理解頂けましたでしょうか?
それでは、一緒に課題をやっていきましょう!
(2)表の①~⑤の質問項目ごとに、「誰にたずねたのか?」「得られた意見やコメント、その理由や根拠」を整理して記入していきます。
(3)意見が出そろったら、ワークシートの記録をもとに「自分はどのように見られているのか?」「どのように評価されているか?」を考えてみて下さい。
軒並み高評価じゃないですか???
「人は自分が思うほど、悪く評価していない」って先生が言ってたことが、分かった気がします✨
それに、自分では気づかなかった「色んな自分」が見えてきたような気がします♪
みんなが指摘してくれた自分の良さを武器に、頑張ってきます!!
必ずや、初彼氏をゲットしてきます!!!
頑張って来てね💛
本当に学生さんのおっしゃる通りだと思います。
他己分析を行うメリットとは、自分の持つ様々な側面を知ることができることにあります。
自己分析に他己分析を上手く取り入れることで、自分を様々な角度からとらえ直し、そこから自分の新たな良さや魅力を発見することが可能になるのではないでしょうか?
他己分析の注意点
最後に注意点をお話ししますね♪
他己分析で「短所」(弱点、欠点)を指摘された時、どのように受け止めればよいでしょうか?
私は、
ことをオススメしています♬
これについては、異論反論あるかもしれません・・・。
しかし他己分析を行う主たる目的は、「自分の良さや魅力を発見する」ことに他なりません。
それゆえ、他人が述べる否定的な特徴ではなく、他人が評価してくれる肯定的な特徴の方に積極的に目を向けていってほしいと思います✨
今回は、自己分析に『他己分析』を取り入れる紹介させて頂きました。
自分の負担にならない、やりやすい方法で他己分析にトライし、自分の「肯定的側面」を“新発見”していってほしい思います!
次回は、自分の持つ印象やイメージを理解し、それを就活にいかす方法を解説いたしますね♪
最後までお読み頂き、本当に有難うございました。
まとめ
>> 06.自分の『印象』や『イメージ』を理解しよう!
<< 04.『未来の自分』をデザインしよう!
- <引用・参考文献>
- Stopa, L., & Clark, D. M. (1993). Cognitive processes in social phobia. Behaviour Research and Therapy, 31, 255–267.