自己分析を全10回の記事で解説していく当ブログ。
前回は、自分が他人に与える「印象やイメージ」を分析する課題に取り組みましたよね♪
自分の持つ“印象の好ましさ”を採用面接で上手く発揮できれば、面接官の興味・関心をひきつけ、有利に面接を進めることができるはずです!
ただし、就活の選考で最終的に問われるのは、志願者の印象やイメージといった『表面的特徴』ではありません。
志願者の『内面的特徴』(=内面性)が、選考の採否を大きく左右してくるのです!
『内面的特徴』は、その人の性格や価値観、考え方などで構成されていますが、自己分析の領域においては、「自分の性格」を正しく理解し、それを自己アピールや仕事選びにつなげていくことが最も重要と考えられています。
自分にとって一番身近な存在である「自分の性格」・・・。
しかし「自分の性格を正しく理解する」ことは、簡単なようでいて意外と難しいことなのではないでしょうか?
世の多くの人たちは、
“自分のこと”を一番よく知っているのは、“自分自身”である
と信じていますよね♪
しかし、いざ「自分の性格」を問われると、どうでしょうか?
大半の人はなかなか「その答え」を出すことができず、途方に暮れてしまうのです・・・。
“とらえどころがない、フワフワした存在”である「自分の性格」。
どうすれば、「自分の性格」を正しく理解することができるのでしょうか?
大変難しい問題ですが、自己分析を行う上で乗り越えなければならない最後の関門になってきます。
そこで今回から、自己分析の“締めくくり”として、「自分の性格」を理解する方法をお話しさせて頂きますね♪
難しい内容もでてきますが、分かりやすく丁寧に解説しますので、安心してご一読下さいませ♬
早すぎる恋の展開💛について
合コンで「麗しき男子たち✨」と知り合いになった私の学生さん!
今日も研究室に遊びに来てくれました!!
なんだか、とってもご機嫌な様子です♪
けど、展開早くない?
なんで“秒”で付き合う💛ことになったの??
言わずもがな、A型女子の私とO型男子の相性は“バツグン”ですよね♪
だから、彼と付き合うことにしたんです💛
でもね、「血液型性格判断」って、科学的根拠ナッシングなのよ♪
マジですか!
私、いったい、ど~したらイイんですか?
お気持ち、お察しいたします!
日本人の多くが信じている血液型性格判断。
それが科学的に“否定”されたとなると、
「じゃあ、どの性格診断を信じたらいいの?」
「どうやったら、自分や他人の性格をとらえることができるの?」
って、疑問に思ってしまいますよね・・・。
大丈夫です!
安心して下さい!!
こういう時に役に立つのが、『心理学』という学問です✨
以下、「性格」を心理学的に理解する方法を解説していきますね♪
性格のとらえ方
「性格検査や性格診断って、いったい何種類あるんですか?」
学生さんからよく尋ねられる質問ですが、
「星の数ほど、たくさんあるわよ!!!」
としかお答えすることができません・・・。
というのも、今こうしている間も“新たな性格検査”が開発され、ネットにどんどんアップされていっているからです!
ただし、そうしたあまたの性格検査は、
B. 特性論に基づくアプローチ
のいずれかに分類されます。
つまり性格検査は星の数ほどあれど、大ざっぱに分けると、「2種類しかない」ということになるんですね♪
今回は『A. 類型論に基づくアプローチ』をじっくりと見ていき、次回『B. 特性論に基づくアプローチ』を見ていきたいと思います♬
A. 類型論に基づく性格検査法
『類型論』とは、
人の持つ性格をいくつかのタイプに分けて理解する方法
になります。
下の図をご覧下さい。
3人の性格を、「この人は、性格Aだ!」「この人は、性格Bかも!」「この人は、性格Cだよね!」といった形で、いずれかの性格タイプに当てはめて説明していますよね♪
これが『類型論』の考え方になってきます♬
性格をタイプ分けして理解するのが、『類型論』なんですね♪
ところで、類型論に基づく性格診断って、具体的にど~いうものがあるんですか?
タイプ分けをしてるってことは、「血液型性格判断」って『類型論』なんですね!!!
星占いって、誕生星座に基づき人を12のタイプに分類し、タイプごとに性格や運命の特徴を記述してるわよね・・・
「血液型性格判断」と「星占い」は、『類型論』の代表例(典型例)と言えるわよね♬
人をいくつかのタイプに分類するって発想だから、“○○系”も『類型論』の考え方に従ってるってことになるわよね♬
「何らかの理論なり基準」に基づき、人の性格をタイプ分けして理解する『類型論』。
シンプルで分かりやすい方法ですが、類型論の前提となる「理論や基準」自体が妥当でないと、人の性格を正しくとらえられないことが分かっています!
例えば、前述の血液型性格判断や星占いには、科学的根拠がありません。
「何ゆえ?結構、当たってんじゃん?!」
と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、血液型性格判断や星占いの前提となる「理論や基準の正しさ」を科学的に証明することができない(つまり、血液型や誕生星座の違いによって、性格が変化することはありえない)ため、現在のところ科学的根拠はないという結論に落ち着いているのです!!
では次に、科学的に“定評”がある『類型論』を紹介しますね♪
ユングの向性理論
著名な精神科医であり心理学者のカール・グスタフ・ユング。
彼は、人のココロのエネルギーが自分の「外側に向かうのか」「内側に向かうのか」に従い、性格をタイプ分けすることを試みました。
これが、ユングの「外向型」「内向型」の性格分類になります(↓)。
「外向型」「内向型」の具体的特徴は、以下の表をご覧下さいね♪
外向型(外向的性格) | 内向型(内向的性格) |
・感情の表出が自由で活発 ・気分の流動が早い ・あっさりしていて、あきらめも早い ・陽気で心配することが少ない ・決断が早く、実行力もある ・飽きやすく気持ちが変わりやすい ・広い範囲の人と交際し、明るく楽しく談笑することを好む | ・感情の表出は控えめ ・気分の変化は少ない ・気難しい ・内気で心配しがち ・思慮深いが実行力は乏しい ・物事に対して懐疑的 ・交友範囲は狭く、多くの人と気軽につきあうことが苦手である |
あなたは「どっち系」???
では、あなたは「外向型」なのでしょうか?
それとも「内向型」なのでしょうか??
とっても気になるところですよね♪
「外向/内向」の性格タイプを知ることは、自己の性格理解の“第一歩”になりますので、早速、自己分析課題としてやってみることにいたしましょう!
今回やって頂くのは、淡路・岡部式向性検査(性格検査)です。
全部で①~⑤の作業がありますので、一つずつ丁寧に解説していきますね♪
まず前半の質問である01~25の項目(ワークシート・P1)を回答します。
各質問についてあなたはどのように思うかを、「はい」「いいえ」「どちらでもない」のいずれかでお答え下さい。
☆回答が終わったら、「はい」と答えた数、「どちらでもない」と答えた数を数え、メモをしておいて下さい。
01. すぐに決心がつく方だと思う。 |
02. 一度決めたことを後から変えることができる。 |
03. 考えるより、まず行動するタイプだと思う。 |
04. のんびり屋さんだと思う。 |
05. 感情がすぐ表に出てしまう。 |
06. よくはしゃいでしまう。 |
07. 気持ちが変わりやすい方だと思う。 |
08. テキパキ行動する方だと思う。 |
09. 派手なファッションやメイクが好きだと思う。 |
10. 勉強やバイトに夢中になって取り組むと思う。 |
11. なげやりになることが多い。 |
12. 結構、無駄遣いすることが多い。 |
13. 人と話をするのが大好きだ。 |
14. 冗談を言って他人を笑わせるのが好きだ。 |
15. 人からおだてられやすい方だと思う。 |
16. 人にお願いごとをすることにあまり抵抗感はない。 |
17. リーダーシップがある方だと思う。 |
18. 人の意見は素直に聞き入れると思う。 |
19. 「気が利くね」と人によくほめられる。 |
20. 他人にすぐ同情してしまいやすい。 |
21. 他人の言ったことをすぐ信じこんでしまう。 |
22. 人前で話すことはあまり苦にならない。 |
23. 色んな人と気軽に付き合うことができると思う。 |
24. 他人の世話をするのは苦痛ではない。 |
25. 他人のために何かをしてあげることが好きだと思う。 |
「はい」の数・・・( )個 「どちらでもない」の数・・・( )個 |
前半の質問と同様に、各質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」のいずれかでお答え下さい。
☆回答が終わったら、「いいえ」と答えた数、「どちらでもない」と答えた数を数え、メモをしておいて下さい。
26. ささいなことがすっごく気になる。 |
27. じっくり考えて、物事を実行する方だと思う。 |
28. はじけた性格ではないと思う。 |
29. 一度失敗したら二度と挑戦したくないと思う。 |
30. 無口な方だと思う。 |
31. 一つの考え方にとらわれ、凝り固まることが多い。 |
32. 辛抱強い方だと思う。 |
33. 理屈っぽいね、とよく言われる。 |
34. ありふれた意見よりもとんがった意見が好きである。 |
35. 用心深い方だと思う。 |
36. 細かいところまで注意が行き届く方だと思う。 |
37. よく空想にふけることがある。 |
38. 潔癖症かも、と心配になることがある。 |
39. どっちかと言うと、気難しい性格だと思う。 |
40. かたくなに意地をはることが多い。 |
41. 他人や社会に対して不満が多い。 |
42. 自分の評判がとても気になる。 |
43. 他人にダメ出しすることが多い。 |
44. 人から指図されるのは正直嫌いである。 |
45. 他人に言えない秘密が多い。 |
46. 嫌な気持ちをずっとひきづる方だ。 |
47. 恥ずかしがり屋だと思う。 |
48. 一人でいてもあまり苦にならない。 |
49. 友達を作るって大変なことだなとつくづく思う。 |
50. 引っ込み思案な方だと思う。 |
「いいえ」の数・・・( )個 「どちらでもない」の数・・・( )個 *①では「はい」の数を数えましたが、今回は「いいえ」の数を数えて下さい。 |
・まず「はい」の個数×4、「どちらでもない」の個数×2を行い、得点[a1]と[a2]を算出します。
・上記の得点[a1]と[a2]を足し合わせると、前半質問項目の合計得点[A]が算出されます。
<前半質問項目の得点計算>
「はい」の数×4= | ( )点 [a1] |
「どちらでもない」×2= | ( )点 [a2] |
合計得点 (a1+a2) | ( )点 [A] |
・まず「いいえ」の個数×4、「どちらでもない」の個数×2を行い、得点[b1]と[b2]を算出します(ワークシート:P3下部)。
・上記の得点[b1]と[b2]を足し合わせると、後半質問項目の合計得点[B]が算出されます。
<後半質問項目の得点計算>
「いいえ」の数×4= | ( )点 [b1] |
「どちらでもない」×2= | ( )点 [b2] |
合計得点 (b1+b2) | ( )点 [B] |
これが最終スコア(総合得点)になります。
以上で、向性検査とその分析作業は全て終了しました!
では気になる結果を見ていくことにいたしましょう♪
まず標準的な日本人が回答した場合、最終スコア(総合得点)が、60点~160点の範囲に分布してきますので、自分の得点がこの範囲内であれば、
ごくごく一般的な性格傾向を持っている
と解釈することができます!
その上で、ということになるのですが、
と判定されることになります!!
いかがだったでしょうか???
もしかしたら、自分の意に反する結果だった人もいらっしゃるかもしれません・・・。
実は、「自分の認識する性格」と「性格検査の検査結果」が食い違うことは、非常によく起こりえます。
自己認識と診断結果のギャップをどのようにとらえればよいかは、次回以降の記事に譲りますが、差し当たり現段階では、「あまりに気にしない(あまりに気に病まない)」で頂きたいと思います♪
自己分析 第2回で述べましたが、性格検査や心理テストは、自分を理解するための補助的なツールの「一つ」に過ぎません。
自分の性格を最終的に判断するのは、検査を開発した心理学者ではなく、あなた自身なのです!
上記を鑑みると、
自分の意に沿わない検査結果を無理に受け入れる必要はない
と言うことができるのです!!
それゆえ、今回行った検査結果に納得がいかない方は、その気持ちをいったん“横に置いて”、次回の記事を読んで頂ければ幸いです♪
ぶっちゃけ、ムリじゃね?問題
ネットや雑誌に載っている性格診断は、そのほとんどが『類型論』に基づくものだと思うわよ♪
どういうこと???
多種多様な性格を“少数のタイプ”に当てはめることって、ぶっちゃけムリがありませんか?
ご批判、ごもっとも!
ホント、おっしゃる通りです!!
誰一人として同じココロを持つ人はいないことから分かるように、人間の性格は、実に多種多様ですよね♪
そうした様々に異なる性格を“少数のタイプ”に強引に当てはめる『類型論』では、当然、無理が生じてきますよね♬
それから、もう一つだけ重要なお話をさせて下さいね(^^♪
例えば、minaminは“O型”だったため、
「あなたは、“O型”だから“大ざっぱ”なのね!」
と言われて育ちました。
ただし、“大ざっぱ”も「色々」なのではないでしょうか?
「超大ざっぱ人(x1)」、「(超とまではいかないけど)かなり大ざっぱな人(x2)」、「ビミョーに大ざっぱな人(x3)」など、その程度が人により様々に異なっているはずです。
しかし『類型論』では、x1、x2、x3の人々が、すべて同じ「大ざっぱ(X)」というカテゴリーに分類されてしまいますよね・・・。
つまり、『類型論』では、個々人の性格の「細かい特徴」や「程度の差」を上手くとらえられないと言えるのです!
ここまでお話しした通り、『類型論』だけで性格をとらえるのは、“一定の限界がある”と言わざるをえないでしょう。
そこで登場してくる性格をとらえる第2の方法が、『B.特性論に基づくアプローチ』になります。
次回、この方法(ビッグファイブモデルによる性格検査法)を解説いたしますね♪
最後に補足させて頂きます。
今回の『類型論』に基づく性格検査は、いくつか問題点があるものの、自己の性格理解に全く役立たないという訳ではありません。
実際、ユングの「外向型/内向型」の性格特徴は、現代の性格研究においても、安定して認められる基本的要素であることが分かっています!
今回取り組んだ課題内容は、次回以降の自己分析で役に立ってきますので、しっかり保存しておいて下さいね♪
今回も最後までお読み頂き、本当に有難うございました。