自己分析を全10回で解説していく当ブログ。
前回から“自己分析の最重要課題”である「性格」のトピックをお話ししています!
人の性格を心理学的に理解する方法は、以下の2つに大別されましたよね♪
B. 特性論に基づくアプローチ
前回はAの『類型論』(ユングの「外向/内向」の性格タイプ)を扱いましたので、今回はBの『特性論』を解説いたしますね♬
ユングの考え方は、今回も大切なところで登場しますので、前回記事と照らし合わせながら読んで頂けると、理解がグッと深まると思いますよd(^^*)
恋と性格検査と私💛
昨日、彼氏さんと一緒にユングの性格検査をやってみました~💛
検査結果はどうだったかしら?
萌えてきたわ~💛
私、いったいど~したらイイんですか??
交際1日目に訪れた恋の一大事(苦笑)。
minaminが全力で解決させて頂きます!
一般的には、「似た者同士は、ひかれ合う💛」って言われますよね♪
実は、恋愛心理学の分野でも、
ことが実証されています(類似性仮説)。
ただし興味深いことには、「似てない者同士だからこそ、ひかれ合う💛」場合もあることが分かっています!
つまり、
こともありうるのです(相補性仮説)。
「似てない者同士だからこそ、ひかれ合う💛」という考え方は私たちの常識的見解から外れるかもしれませんが、『相補性仮説』の正しさが多くの研究により証明されていることを鑑みると、
と結論づけることができるでしょう✨
もっとも、「同じココロ」を持つ人間は、誰一人として存在しません。
それゆえ、自分にはない「特徴や魅力」(相補性)を相手が持つことを認め、そうした点を「尊重」できるかどうかが、『親密な人間関係』を築く上で鍵になってくるのではないでしょうか?
ウチら、性格が真逆でも大丈夫ってことですよね💛
けどさぁ、「外向型/内向型」の2つのタイプだけで性格をとらえるのって、もったいなくない?
ど~いうことですか???
ユングの考え方だけだと、彼の魅力の「ほんの一部」しか分かんないじゃないかなぁ・・・
おっしゃる通りです!
とても大切なことなので、補足解説いたしますね♪
『類型論』では、人の性格を「ばさー、ばさー」とタイプ分けしていきます。
下の図の場合、3人の性格を「A」「B」「C」の3タイプに分類して説明していますよね♪
シンプルで分かりやすい『類型論』ですが、様々に異なる人の性格を少数のタイプに強引に当てはめるこのやり方は、正直ムリがありますよね・・・。
それに何より、『類型論』では、人の持つ性格の「細かな特徴」や「程度の差」を上手くとらえることができません。
そこで登場するのが、『B.特性論に基づくアプローチ』になります!
心理学の世界では、以前はヨーロッパを中心に『類型論』の考え方が優勢でしたが、現代ではアメリカを中心とする『特性論』の考え方がトレンドになっています!!
では、『特性論』に基づく性格理解の方法とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
B. 特性論に基づく性格検査法
『特性論』とは、
人の持つ様々な性格特性を“ココロを測るモノサシ”を使ってとえらえようとする考え方
になります。
ちょっと分かりづらいので、「洋服のサイズ」を例に挙げて説明したいと思います!
ネット通販で洋服を買う時、一番気になるのは、「サイズがピッタリ合うのか」ということではないでしょうか?
店頭であれば試着すればイイだけの話ですが、ネット上ではそれができませんよね・・・。
しかし、以下のイラストのように、“洋服の主だった箇所”の寸法(①身丈、②身巾、③肩巾、④袖丈)が示されていれば、それを手がかりに大体のサイズ感を把握できますよね♪
上記のやり方は、人の「性格」を理解する時にも使えるのではないでしょうか?
人の性格には、実に様々な特性(明るさ、真面目さ、活発さなど)が存在します。
そうした特性の全てをとらえることは困難ですが、主だった特性をピックアップし、それらをモノサシで測る(質問項目で尋ねる)ことができれば、性格の全体像をザックリと把握できますよね!
これがまさに『特性論』の発想になってくるのです!!
特性論の代表格は?
これまで性格特性に関する様々な研究が行われてきましたが、現在では、
という考え方が主流になっています(Costa & McCrae, 1995)。
これが、特性論の代表格『性格のビックファイブモデル(5因子モデル)』になります(↓)。
以下、ビッグファイブモデルの主要特性(①外向性、②情緒安定性、③誠実性/勤勉性、④協調性、⑤開放性/好奇心の強さ)の具体的内容を解説してきますね♪
①外向性の程度
人との関係において積極的に働きかけるかどうか、社交的であるかどうかを表します。
外向性の高い人は?
積極的で、常に強い刺激を求め、非常に活動的ですが、極端になり過ぎると無謀な面が顔を出すことがあるので注意が必要です。
外向性の低い人は?
控えめで刺激を求めず、物静かな生活を望みますが、極端になり過ぎると臆病や気後れという面が強くなることがあります。
★「外向性が高い人は、内向性が低い」(外向性が低い人は、内向性が高い)ということになります。
前回登場したユングの考え方がここに活かされているんですね✨
②情緒安定性の程度
危機に敏感に反応するかどうかを表します。
ストレス耐性や神経症傾向と関係が深い概念とされています。
情緒安定性の高い人は?
危機があっても動じることなく、情緒が安定していますが、極端になり過ぎると感情が平坦になる傾向があるとされています。
情緒安定性の低い人は?
敏感で、ストレスがあると不安や緊張などの感情的な反応が表れやすくなります。
この傾向が極端になると、神経症を発症することが懸念されます。
③誠実性(勤勉性)の程度
はっきりとした「目的」や「意志」を持って、物事をやり抜こうとするかどうかを表します。
真面目さや粘り強さと関連が深い概念とされます。
誠実性の高い人は?
意志が強く、物事に対して勤勉に取り組むことができますが、極端になり過ぎると強迫的で仕事中毒になってしまうおそれがあります。
誠実性の低い人は?
環境や自分をありのまま受け入れることができます。勉学や仕事の取り組み方にあまりこだわりを持ちません。
極端になり過ぎると、怠惰な人と思われることがあります。
★ビックファイブモデル自体が海外のものであるため、用語をどのように和訳するかは研究者のセンスにかかっています。
「誠実性」という訳語で間違いありませんが、個人的には「勤勉性」とした方が分かりやすいのではないかと思っています♪
④協調性の程度
人との関係において、周りの人に同調しやすいか、自主独立を好むかを表します。
協調性の高い人は?
共感性や思いやりを持って、人との親密な関係を築いたり、人と助け合ったりすることができます。
極端になり過ぎると、人に追従して、集団の中に埋没して自分を見失うことがあります。
協調性の低い人は?
独自性(自分の世界)をしっかり持っています。
しかしこの傾向が極端になり過ぎると、人に冷淡になったり、敵意を抱いたり、自分の殻に閉じこもりがちになることがあるとされます。
⑤開放性(好奇心の強さ)の程度
イメージや思考などが豊かかどうかを表します。
想像力と深い関係があるとされます。
開放性の高い人は?
遊び心があり、新しいものに強い好奇心を持つことができますが、極端になり過ぎると、社会から逸脱したり、夢想や妄想が強くなってしまうことが考えられます。
開放性の低い人は?
現実性が高く、堅実で着実な生き方を望みます。
極端になり過ぎると、権威や伝統にしがみつく傾向が強くなります。
★③と同様に和訳の問題を指摘することができます。
「開放性」という訳語で間違いありませんが、個人的には「好奇心の強さ」とした方が分かりやすいのではないかと思っています♪
良い性格、悪い性格とは?
ここまでビッグファイルモデルにおける主要特性(①~⑤)を見てきましたが、各特性の定義で「極端になり過ぎる」というワードが登場しましたよね♪
大変重要な点ですので、補足解説いたしますね♪
minaminは、学生さんから
「良い性格って、どういう性格ですか?」
「悪い性格って、どういう性格ですか?」
という質問をしばしば頂戴します。
確かに、とっても気になる問題ですよね・・・。
しかし結論的に言うと、性格に「良い」も「悪い」もありません。
ただし、性格が極端になり過ぎると、
ことになってしまうのです。
上記を踏まえると、日常生活で不適応を来していなければ、自分の性格を変える必要など、全くないと言えるのではないでしょうか?
読者のほとんどの方は、学生生活やプライベートが立ち行かなくなるほどのトラブルが発生していないですよね♪
ですので、まずは、現在のご自身が持たれている『ありのままの性格』を大切にして頂きたいと思っております✨
ビッグファイブ性格検査をやってみよう!
ビッグファイブモデルに基づく性格検査は、心理学の研究のみならず、採用選考の適性検査にも広く活用されています。
就活生のみなさんにぜひやって頂きたい性格検査の一つですので、以下、紹介していきますね♪
ビックファイブ性格検査を受検する方法は色々ありますが、今回は、ビッグファイブプラスというサイトを紹介したいと思います♬
こちらのサイトでは、「5つの主要特性」(①外向性、②情緒安定性、③誠実性、④協調性、⑤開放性)と「自己ギャップ感」の6つの特性を測定可能な簡易版のテストを公開しています。
メインの質問は全部で55個あり、各質問に対して
1:全く当てはまらない
2:少し当てはまらない
3:どちらともいえない
4:少し当てはまる
5:とても当てはまる
のいずれか1つにチェックを入れ、回答をしていきます!
では、早速やってみることにいたしましょう!!
(2)トップページの【心理テストはこちら】をクリックすると、検査がスタートします!!
なお、この検査は「社会人向け」に作られているため、Q47~Q55の質問文は、以下のように読み替えて回答を行って下さい。
Q47. 勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)をしていると,活力がみなぎるように感じる |
Q48. 学校(or バイト先、サークル・ボランティア先)では,元気が出て精力的になるように感じる |
Q49. 勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)に熱心である |
Q50. 勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)は,私に活力を与えてくれる |
Q51. 朝に目が覚めると,さあ学校へ行こう,という気持ちになる |
Q52. 勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)に没頭しているとき,幸せだと感じる |
Q53. 自分のやっていることに誇りを感じる |
Q54. 私は勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)にのめり込んでいる |
Q55. 勉強(or アルバイト、サークル・ボランティア活動)をしていると,つい夢中になってしまう |
質問の回答、お疲れ様でした<(_ _*)>
検査結果(診断結果)は、プリントアウトしておいて下さいね♪
では次に、検査結果をまとめる作業をやってみたいと思います!
まず、ビッグファイブプラスの「外向性」「情緒安定性」「誠実性」「協調性」「開放性」「自己ギャップ」の6つの得点をレーダーチャートに記入して下さい。
(4)今回の性格検査からどのようなことが分かりましたか?
検査結果をまとめるとともに、それに対するあなたの感想をメモして下さい。
今回の課題は、次回以降の自己分析に加え、エントリーシート(ES)の作成時にも役立ってきますので、「検査結果」と「結果のまとめのワークシート」は、大切に保管しておいて下さいませ。
ところで、ビッグファイブプラスでは、5つの主要特性のみならず、「自己ギャップ感」が測定されていましたよね♪
初めて聞くワードだと思いますので、以下、詳しく解説したいと思います♬
本田翼さんになれない問題
minainにとっての「理想の女性」は、本田翼さんです!
しかし、「現実の私のビジュアル」は、彼女に遠く及びません・・・。
毎朝、スタイリングしながら
「明日、本田翼に生まれ変わらないかな・・・」
とか言って、タメ息をつくのが日常となっております。
身の程知らずとは、まさにこのことを言うのかもしれません(苦笑)。
ところで、みなさんにも「理想とする自己像」がありますよね♪
しかし「理想の自分」と「現実の自分」の間には、いくばくかの隔たりが存在するはずです。
この隔たりを意識した時に感じるモヤモヤ感のことを、心理学では「自己ギャップ感」と呼んでいるのです!
ところで、「自己ギャップ感」があることは、良いことなのでしょうか? 、それとも悪いことなのでしょうか?
その答えですが、精神的健康を害さないレベルの“適度な自己ギャップ感”は、私たちに好ましい影響を与えるものと判断できます。
「理想の自分」に向かって努力することで、日常生活や人生が充実してくることが期待できるからです✨
では、「自己ギャップ感」とどのように向き合っていけばイイのでしょうか?
心理学の世界では、理想を追求する際、「大目標」と「小目標」の両方を設定することが大切だと考えられています!
分かりやすく言うと、「本田翼さんになる(苦笑)」という大目標に加え、頑張ればクリアできる小目標(髪型を翼さん風にする、アイメイクをマネしてみる)を設定し、小さなことからコツコツと頑張っていくのです!!
これを心理学では『スモールステップの原理』と呼んでいますが、この方法を用いると、自己ギャップ感に苦しむことなく、理想の私に確実に近づけるのではないかと思います♪
「理想」を高く持つことで、私たちは人間的成長を遂げていきます。
「理想の自分」との向き合い方、「理想の自分」への近づき方を工夫することで、夢や目標をかなえていくことができるのではないでしょうか?
ビッグファイブ性格検査の受け止め方
さて、ビッグファイブプラスのお話に戻ります。
みなさんの検査結果は、いかがだったでしょうか?
予想通りの結果だった人、意外な発見があった人、結果に納得いかない人、色々だと思いますが、いずれにせよ、
性格検査の結果を“鵜呑み”にする
ことは、決して好ましいことではありません。
なぜなら、検査結果が誤っていたり、検査があなたの“重要な性格的特徴”を見落としている可能性が考えられるからです。
では、ビッグファイブプラスの検査結果をどのように解釈し、それを自己分析にどのように活用していけばよいのでしょうか?
次回、この点をじっくり解説していきますね♪
今回も最後までお読み頂き、本当に有難うございました。
まとめ
過度な自己ギャップ感は好ましくありませんが、適度な自己ギャップ感を持つことは、夢や目標に向かって頑張る原動力になってくれるはずです!
>> 09.自分の性格を『総合的に考察』しよう!
<< 07.自分の『性格タイプ』を理解しよう!
- <引用・参考文献>
Byrne, D. (1971) The attraction paradigm. NewYork: Academic Press.
Costa, P. T., & McCrae, R. R. (1995). Primary traits of Eysenck’s P-E-N system: Three- and five-factor solutions. Journal of Personality and Social Psychology, 69(2), 308–317.