【自己分析10】自分の新たな『良さ』や『魅力』を発見しよう!

前回は、『ビッグファイブプラス』で得られた性格診断結果を慎重に吟味し、自分の性格を総合的に考察する課題に取り組みました。
性格診断結果の適切性(自分に本当に当てはまっているか、そうでないか)を判断する上で、これまでの自己分析課題で得られたデータが大いに役に立ったのではないでしょうか?

今回は、自己分析の最後のトピックをお話しさせて頂きますが、その前に、今私の目の前で生じている「プチ修羅場」を何とかしなければなりません(詳細は前回記事の一番最後のところをご参照下さい)。

ダメな私に恋して下さい!

学生さん
私っ、
ダーリンと別れます(泣)
minamin
また、ど~~して?
学生さん
ダーリンのことは、
す〜っごく好きです。けど、自分にすーっごく自信がなくなったんです・・・
minamin
えっと・・・、
なんで急速に自信がなくなったの?
学生さん
だって、ビッグファイブの診断結果は悪いことしか書かれていなかったし・・・(泣)
minamin
診断結果をうのみにしたらいけないって、あれだけ言ったじゃない?
しっかり前回課題はやってみたの??
学生さん
やりましたとも!
マジメにやったからこそ、自分に自信がなくなってきたんです・・・
minamin
ど~いうこと???
学生さん
課題やったけど、
自分の長所や良さを全然、発見できないんです。。。
なんか自己分析やればやる程、
自分がダメ女じゃないかって思えてきたんです(涙)
minamin
そんなことないよ、
あなたはダメ女なんかじゃないでしょ!!
学生さん
先生、じゃあ私、
ど~したらいいんですか?

前回以上にゆゆしき恋の緊急事態が発生しました。
ダーリンと別れることも大問題ですが、自己分析をすることで、「逆に自分に自信がなくなってしまう」なんてことは、絶対にあってはならないことです。

「失われた自信」を取り戻し、ダーリンと再び向き合う勇気を持ってもらうべく、私は全力のフォローを開始しました。

minamin
大丈夫、私に任せて!!
今回の課題をやれば、スッキリ解決するから!
学生さん
マジですかっ!?
早く教えて下さい!!!

もちろん、喜んで教えますとも!
しかしその前に、みなさんにお伝えしたいことがあります。
それは、

彼女の悩みは、彼女だけの「特別なもの」ではないのではないか?(多くの就活生にもあてはまるのではないか)

ということです。

既出記事において、私たちは、自分の短所や欠点に目がいきがちになる一方、自分の長所や魅力なかなか発見することができないことを述べさせて頂きました。
自己分析や性格診断を繰り返す中で、どんどん短所や欠点ばかりが気になっていき、深みにはまっていくという『負のスパイラル』に陥る学生さんは少なくないのです。
実際、私も負のスパイラルから抜け出せなくなる学生さんを多くみてきました。

ただまさにその記事で指摘したように、自己分析の本来的目的とは、自分の良さや魅力、長所を発見することに他なりません。

自分の『肯定的特徴』に積極的に目を向けていく作業

こそが、自己分析の本質なのです。

ではどうしたらそうした肯定的特徴を発見し、「本当の自分」(私らしい私)にたどりつくことができるのでしょうか?

ビッグファイブが全てではない!

現在の性格心理学の主流になっているビッグファイブモデル
これは自己分析 第8回で紹介したように、『特性論』という考え方に基づいた性格へのアプローチになります。
おさらいになりますが、『特性論』とは、

人が様々な性格特性を「どの程度持っているか」を、いくつかのモノサシを使って測ろうとする考え方

でしたよね(↓)。

特性論の考え方
モノサシA・B・Cで
特性A・B・Cの程度が測定されます。

特性論は優れた方法であるため、現在の性格研究のトレンドにもなっていますが、一方で、

ココロのモノサシで測られる性格特性がその人の一面しか表していない可能性があるため、その人の性格の全体像を必ずしも明らかにできていないのではないか?

という問題点が指摘されているのです。

これまでで一番難しいお話ですよね。
以下、解説させて下さい。

みなさんが行った『ビッグファイブプラス』では、「①~⑤の性格特性」+「自己ギャップ感」の6種類の特徴をどの程度持っているかをとらえるため、6つのモノサシを使って測定をしていましたよね(↓)。

①~⑤が5大性格特性
「自己ギャップ感」は
プラスアルファの要素になります。

しかしこれら6つのモノサシで

その人の性格の「すべての」特性をとらえられているか?

と考えてみると、大いに疑問が残ると思います。

あらゆる人の性格が5つの要素だけで構成されているという保証はどこにもありません
人によっては、ビッグファイブプラスに含まれない『独自の性格特性』を持っている場合も十分考えられます。
そして、そうした場合は、新たなモノサシを使わない限り、その人独自の性格特性をとらえられないのではないでしょうか?

つまり、ビッグファイブプラスが自分の性格特性のすべてをカバーできれていれば全く問題ないのですが、もしそうでない場合は、新たなモノサシなり視点を用いない限り、自分が独自に持っている肯定的特徴(魅力)を発見できないということになってくるのです。

ココロを測る新たなモノサシを持とう!

学生さん
そっか、
ビッグファイブが全てではないんですね!
minamin
そう、だからね、自分をとらえる多様な評価軸をもってほしいの!
学生さん
多様な評価軸?
minamin
下の図をみてちょうだい!!
新しいモノサシを使えば、
新しい魅力を発見できるはず!
minamin
多様な評価軸を持つってのは、できるだけたくさんのモノサシを使ってココロを測ることを指しているの!!
学生さん
例えば、7つ目、8つ目の新たなモノサシを使うってことですか?
minamin
そう、その通り!
6つのモノサシで測ってみたらネガティブな結果だったのかもしれないけど、7つ目、8つ目のモノサシを使ってみたら、キラッキラと輝く特性を発見できるかもれないでしょ!!
学生さん
先生、ちょっとだけ元気出てきたかも!
じゃあ、ど~したらいいんですか??

良かったです、ちょっと元気になってくれて・・・。
ここでみなさんにも元気になってもらいたいので、課題に取り組んで頂きたいと思います!

(1)下記より、課題のワークシートをダウンロードします。
(2)ビッグファイブプラスの診断結果に記述されていない新たな肯定的特徴(性格的好ましさ・良さや魅力・特長など)がないかどうかを考え、記入を行っていきましょう。
(3)肯定的特徴をあげたら、必ずその理由や根拠となる事実やエピソードも列挙してみましょう。

どうやって探るのかですが、これも前回と同様に、過去の自己分析課題のワークシートを活用して作業に取り組んでいきます。
具体的には、

自分をふりかえる方法(第2回)
自分の考え方や価値観の特徴を探る方法(第3回)
未来の自分を描く方法(第4回)
他己分析(第5回)
自分の印象やイメージの理解(第6回)

を手がかりにして、新たな肯定的特徴を探っていきましょう!
以下がワークシートの記入例になります。

ビッグファイブプラスでは分からなかった肯定的特徴その理由や根拠
1 チアリーディング力友人が悲しい時やつらい時に、彼女らを励まし、勇気づけることができる!
2  いいね力他人の良さや長所を即座に発見し、ほめちぎることができる!

『チアリーディング力』『いいね力』も、心理学の教科書には書かれていない、新しい概念ですよね(笑)。
でも、いいんです、これで!!
自分の良さを適切に表す概念がなければ、新しく作ってしまえばいいだけのことなんです!
みなさんも自分の特長をよりよく表現する言葉を自由に考え、ワークシートに記入してみて下さい!!

肯定的特徴の理由や根拠となる事実が見当たらない時は、自己分析課題をもう一度行い、新たなエピソードを発掘してみてもよいかと思います。

また、自分で考えていて、

煮詰まったなぁ~
アイデアが出てこないなぁ~~

という時は「他己分析」が有効になってきますので、周囲の人から意見を再びうかがい、あなたの肯定的特徴を改めて指摘してもらってもよいのではないかと考えます。

次なるカードを投入!

ここまで大丈夫でしょうか?
これでも、

「うーん、今イチ、新たな良さが発見できない・・・」

って人もいるんじゃないかと思います。
そういう方は、次になるカードを投入します!
何かと言うと、新たな性格検査を行い、これまで分からなかった性格的好ましさや魅力を発見していきます!!
自己分析課題として、早速やっていくことにしましょう!

(1)リクナビグッドポイント診断のサイトにアクセスします。
リクナビIDをお持ちでない方は新規会員登録、IDをお持ちの人はログインを行って下さい。
(2)性格検査のページが表示されますので、質問に一つずつ回答していって下さい。

リクナビグッドポイント診断

こちらのサイトは、質問に答えることで18の特性から自分の強み5つを的確に教えてくれる、大変定評のある性格検査になります(↓)。

https://next.rikunabi.com/goodpoint/より転載
©リクナビNEXT

ビッグファイブプラスで十分にカバーできなかった性格特性も測定できていますので、新たな自分の良さや魅力を知る「ココロのモノサシ」となってくれると思います。

グッドポイント診断の結果サンプルは下記からダウンロードできます(↓)。

弱みを強みに変える方法

学生さん
先生、だいぶ自信がでてきました。
けれども、やっぱり弱点があるのは事実であって、それにはどう対処すればいいんですか?
minamin
どういうこと?
学生さん
自己分析をやってみてわかったんですけど、努力してもすぐには変えられない弱点とか、もしかしたら一生変えられない弱点ってあるのかなと?
minamin
なるほど・・・
学生さん
けど、私はダーリンのことが好きなんです。
どうしたら自分の良さを発揮して、ステキな恋ができるんでしょうか?

だいぶ、前向きになってきてくれてうれしいと感じると同時に、彼女が自己分析を通じ、自分への理解が深まってきたことをうかがい知ることができました。
そして何より、彼女の言っていることは、非常に的を得ているとも思いました。

ご承知の通り、

弱点や欠点のない人間はいない

ですよね。

誰しもが持つ「様々な弱点や欠点」と、どのように向き合えばいいのか?

このことは、恋愛に限らず、就活の自己分析においても問われることになる「最もハイレベルな問題」とされています。

大丈夫です!
みなさん、安心して下さい!!
ちゃんと対処法がありますので、以下、丁寧に説明していきますね。

リフレーミングで新たな自分を発見しよう!

ここで紹介したいのは、ずばり!『リフレーミング』になります。
リフレーミングには、

発想を転換して、自分自身を違った角度から見てみること

という意味があるのですが、リフレーミングを行うことで、短所の裏にある長所に気づいたり、プラス思考で自分を見つめ直すことが可能になると考えられています。
おそらく自己分析に取り組む際、最も頼りになってくれる心理学の技法ではないかと思っています。

リフレーミングには色々な方法があるのですが、読者の皆さんには、私がゼミ生に行ってもらっているやり方を特別にお教えいたしますね♪

(1)下記より課題のワークシート(自己イメージの質問紙)をダウンロードします。
(2)質問紙には、25個の形容詞対(例;あたたかい-つめたい)が書かれています。
あたなのご自身のイメージとして、もっとも当てはまると思う数字1つに〇をつけて、回答してみて下さい。
学生さん
先生、これは
マジ、ムリです!
minamin
いったい、
ど~したの?
学生さん
だって私の結果って、
こんな感じですよ!
協調性の乏しい、主観的な、粘りの乏しい、気持ちが内向き、社交性の乏しい、共感性の乏しい、劣等感の強い、神経質な、柔軟性の乏しい、非活動的な、感情の不安定な、暗い、自主性の乏しい、おおざっぱな、悲観的な、自信のない、攻撃的な、わがままな、服従的な、不真面目な、平凡な、消極的な、計画性の乏しい、意欲の乏しい、決断力の乏しい
minamin
そっか、
回答が全部右側の極によっちゃったわけよね!
学生さん
普通に考えてヤバイですよ!
ダメ女、復活じゃないですか!!
ダーリンは、こんなダメな私に、恋してくれるんですか?

大丈夫です、
恋してくれますから、安心して下さい!

ここで必殺技、リフレーミングを行います!!
分かりやすく言うと、短所の「リバース」(ひっくり返し)を行うんですね♪

ではみなさんもやってみましょう!

先ほどの質問紙で、3」「4」に〇を付けた箇所(=短所と思っているところ)があれば、リフレーミングを行ってみましょう。
(1)下記よりワークシート『短所のリフレーミング』をダウンロードして下さい。
(2)左側に「短所と思っているところ」、右側に「リフレーミングした言葉の例」が書かれています。
(3)「リフレーミングした言葉の例」のうち、自分に当てはまるものがあれば、〇で囲んでいきましょう。

いかがだったでしょうか?
これがリフレーミングにより導き出された、あなたの「強み」になります。

実はこのリフレーミングは、後々エントリーシートの作成面接対策を行う時も、非常に強力な武器となってきます!
ですので、しっかり保管しておいて下さいね!!

恋はつづくよ、どこまでも

学生さん
すご~~い!
短所が全部長所になったじゃないですか?
minamin
そう、すごいでしょ!
学生さん
先生、以前言ってましたよね。
長所や魅力が全くない人間は存在しないって!
言ってた通りですね。
minamin
その通り!!
自分の性格の弱みって、それを無理に変えないでいいと思うんだ。
だって、リフレ―ミングをすれば、強みに変わるんだもん!
学生さん
私、ちょ~元気になりました!!
今すぐダーリンに電話します♪
きっとこれからもラブラブだと思います💛
やった~~!!!
いい女、ここに誕生!
ダーリン、待っていやがれの図

良かったです。本当に良かったです。
私もようやく、重い肩の荷をおろすことができそうです。

けれども、本当に彼女の言う通りですよね。

人は自分の短所や欠点に目がいきがちです。
けれどもそうした弱みを強みに変えることができれば、きっとその人は自分らしく能力を発揮して生きていくことができるのではないでしょうか?
自己分析をして「本当の自分を発見する」って、つまりはこういうことだと思うのです。

きっとみなさんも、今回のリフレーミングを行い、

自分の弱みを強みに変えることができた

と思います。

であるならば、きっと大丈夫!、
というか絶対大丈夫!!と断言したいと思います。

自分の強みをしっかり認識している人は、厳しい苦境に立たされた時、文字通り「強い」と思います。
プレッシャーがかかる就活本番でも、自分の強みを武器にたたかっていけば、おのずと結果はついてくると思います!
一連の自己分析を通じて発見した「自分らしい自分」「本当の自分」を大切にしつつ、『自分の持つ長所や魅力、強み』を就活の本番で思う存分、発揮してほしいと切に願っております!!

ここまで長きに渡り、記事をお読み頂き、本当に有難うございました!
もしよろしければ、『業界研究』以降の記事もお読み頂ければ幸いです。

またみなさんにお会いできますことを心から楽しみにしています。

まとめ

ビッグファイブプラスだけでは、本当の自分が持つ良さや魅力を発見することができません。新たなモノサシ(基準)を使って自分を見つめてあげることで、これまで気づけなかった自分の長所を見つけ出すことが可能になります!
自分の弱みを強みに変えるためには、『リフレーミング』が必要です。リフレーミングで分かった自分の強みを大切にして、今後の就活に取り組んでいってほしいと思います!

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